このたび、イスラエル映画“BIG BAD WOLVES”(原題)は邦題を『オオカミは嘘をつく』(配給:ショウゲート)として、11月22日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町にて公開が決定しました。

タランティーノの2013ベストワン・ムービーがついに公開!
2014サターン賞の最優秀インターナショナル作品賞も受賞

 昨年の第18回釜山国際映画祭にて、上映後のティーチインに飛び入り参加したクエンティン・タランティーノ監督が、「今年のナンバーワンの作品だ!」と興奮気味に発言したことで、大きな話題になった本作。世界的な映画祭で多数の映画賞に輝き、2014年の第40回サターン賞では、『イノセント・ガーデン』や『ワールズ・エンド』をおしのけて最優秀インターナショナル作品賞を受賞している。なお同賞は、過去に『パンズ・ラビリンス』『イースタン・プロミス』『ぼくのエリ 200歳の少女』『第9地区』などが受賞しており、作品のクオリティを保証するものであると言えるだろう。
手掛けたのはイスラエルの、アハロン・ケシャレス&ナヴォット・パプシャドの若き2人の監督。共にイスラエル出身の彼らは自分たちの住む社会からインスパイアされて本作を作り上げた。テロ、誘拐、常に虐げられる感覚や、乱暴な行為等の恐怖と隣接し、攻撃と報復を繰り返し続けている国において、2人の監督はこの作品を想起し、構築していった。

恐怖と憎悪に満ちた3人のオオカミたちによって繰り広げられる
巧妙に作り上げられたスリリングで予想不可能な展開と結末

 劇中では、残酷な少女殺人事件における、容疑者、被害者の父親、刑事が対峙する。ストーリーは徐々に取り返しがつかない方向へと進み、3人の男たちは破滅へ向かう。それと共にこの映画は道徳的なジレンマを観ている者に問いかける。ずっと拷問を受け続けているこの男は果たして本当に真犯人なのだろうか?事件の被害者になることは、狂気の復讐者となり、暴力を正当化することになるのだろうか—?
 正義と悪。その定義の狭間でこれまでになかった感情が沸き起こる。観る者の心を揺さぶる、巧妙に組み立てられたストーリー!そして衝撃のラストが待ち受ける!

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執筆者

Yasuhiro Togawa