6月27日から公開された『渇き。』。『告白』の中島哲也監督最新作、でんぱ組.incが劇中歌使用、役所広司演じる元刑事の藤島のクソぶり、失踪した藤島の娘・加奈子演じる小松菜奈の魅力など、公開前から何かと話題になっているが、公開後、ソーシャルやレビューサイトにあげられる感想は真っ二つに分かれ、近年稀にみる賛否両論の嵐でさらに話題をかっさらっている!
そんな本作に対して、若者を中心に絶大なる人気を誇るEXILEのHIROからは、「人間の持つ「天使」と「悪魔」の振り幅が360度回って同化してしまいそうな…そんなエネルギー満タンな映画でした。なんとも言えない生臭さが心にグサグサ刺さります」と、絶賛する異例のコメントが届いた。
本作は、成績優秀、容姿端麗、学園のカリスマ女子高生の加奈子が失踪することから始まる。加奈子の元刑事でロクデナシの父親・藤島(役所広司)は、離婚した元妻から連絡を受け、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うが、行く先々で語られるのは、“知らない加奈子像”。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体を目の当たりにし、やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる。原作は、中島監督が“悪魔のような原作”と評し、第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した深町秋生の「果てしなき渇き」。暴力的な描写が過激すぎるため映像不可能とまで言われていた。

◆EXILE HIROに続き、著名人から続々コメント到着!最悪なのに最高の映画?
・次々と迫ってくる執拗なまでの暴力描写。これはもう恐怖でも胸糞でもなくただただ痛快で、自分のモラルを疑ってしまった。 登場人物は全員どうかしている。でも、どうかしているから面白い。(漫画家 浅野いにお)
・「渇き」どころか役所広司さんから迸るエネルギーのシズルを浴びまくり打ちのめされました。このタラフクなお腹いっぱい感、最悪なのに最高です!(映画監督 樋口真嗣)
・鬼気迫る演技が、画面にほとばしる!堕ちる時の、落下感!(映画監督・園子温)
・突如いろんな積み木をぶつけられ、顔をしかめていたら、いつの間にか飛び散った積木が模様に…そんな映画!(お笑い芸人 藤井ペイジ)
・この映画に出てくる人間全員キライ。でもこの映画めっちゃ好き! (芸人 今田耕司)
・これ、今年一番、かっこいいやつです。あらゆる先鋭的センスの集合体です。オープニングは、何度でもくり返し流したいほど。しびれました。言葉が出てきません。(作家・乙一)
・『渇き。』は、圧倒的な映像の水責め(ウォーターボーディング)であり、カラッカラッに乾いた日本映画を狂気で潤す希望だ。(ゲームデザイナー/「メタルギア」シリーズ監督 小島秀夫)
・劇薬の怖さと恐ろしさを思い知らされました。愛情のない暮らしはとても怖いし、寂しすぎると思いました。人にされて嫌なことは絶対に人に仕返ししてはいけないと思います。復讐を試みる人の心理は、私にはわからなかった。(タレント/宮澤佐江)
・魔性の女に魔法をかけられた男と女。 それは正義か非道か・・・ 自由と不自由の間でうごめく理性と本性を 個性派俳優がテンポよく演じていて、最後まで目が離せない。(田原総一郎)
・とんでもないものを観れた幸せに満たされました。21世紀の人間を刻印する傑作! (映画監督 犬童一心)

◆学生たちからの支持厚く、学生1000円キャンペーン延長決定!
本作を見たユーザからは、「学生に見せてはいけない映画」と酷評な意見が続出。というのも、初日から8日間限定で学生1000円キャンペーンを実施していることから、「子供である学生に割引で見せるという事の見識を疑う」「R18の間違いじゃない?」という見解。「とにかく、一刻も早く上映中止にすべきだ!」という主張を示す意見もでてきており、普段レビューを投稿しないユーザまでもが過激すぎる暴力描写の映画に対して学生への鑑賞抑止のために投稿している。一方、「そんなに今の高校生がバカではないと信じたいし、そういったものを映画の中で美化した表現の映画ではないと感じました」という意見や、実際の学生からも「想像してたより20倍くらいぶっ壊れてて狂った傑作」という意見もあり、絶賛組との対立意見がレビューサイトでは交錯する。

そんな物議を醸しだしている中、劇場は平日から学生たちで賑わいをみせる。学生1000円キャンペーン期間がテスト期間と被ってしまった学生からは「見に行けない」という声が多数あがり、学生たちのご要望にお応えして、7月18日(金)まで延長することが決定した。

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執筆者

Yasuhiro Togawa