7月2日、今年も公益財団法人川喜多記念映画文化財団より「川喜多賞」が発表され、「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」が第32回(2014年度)川喜多賞を受賞しました。
川喜多賞は、故川喜多長政・かしこ夫妻、川喜多和子さんの親娘二代が半世紀以上に渡る長い間、映画を通じて国際間の友好を深め、理解を増すことに努めた業績を記念し創設されました。日本映画の芸術文化の発展に甚大なる功績を残した個人又は団体、映画を通じての国際交流に顕著な功績を残した個人又は団体に、公益財団法人川喜多記念映画文化財団より贈賞されるもので、これまで黒澤明監督、市川崑監督、新藤兼人監督、大島渚監督、今村昌平監督、淀川長治氏、三船敏郎氏、仲代達矢氏など、錚々たる映画人の方々が受賞されています。

◆今回の受賞理由  (公益財団法人川喜多記念映画文化財団・報道資料より)
「自主映画の公募コンペティションを行いPFFアワードを贈賞する「PFF(ぴあフィルムフェスティバル)」は、今年で36回を迎えます。この間、PFF受賞者に対するPFFスカラシップを創設、独自に映画作家の育成に努め、海外映画祭と連携しながら、百人を超える人材を世界の映画界に送り出しました。かつて大手映画会社に依存していた映画のための人材育成に代わって、作家の主体性を尊重する自由なシステムの構築を成し遂げた工夫と努力、その素晴らしい成果に敬意を込めて贈呈することに致しました。」

【PFF(ぴあフィルムフェスティバル)とは】
「映画の新しい才能の発見と育成」を目的に、世界でも極めて稀な自主映画のコンペティション部門「PFFアワード」をメインとした映画祭。1977年12月に東映大泉撮影所で開催された、映画、演劇、音楽の総合イベント「ぴあ展」での「自主製作映画展」としてスタートし、1981年には名称を「ぴあフィルムフェスティバル」と改め、以降、毎年開催しています。

◆PFFアワードについて
これまでの応募作品数は20,000本、総入選数は550本を超え、日本のみならず海外映画祭でも高い評価を得ています。才能あふれる新人監督たちの未来を切り開き、日本映画界の活性化に寄与する活動として継続しています。今年3月の第37回日本アカデミー賞において、最優秀監督賞など計6部門を制覇した『舟を編む』の石井裕也監督をはじめ、森田芳光監督、黒沢清監督、園子温監督、中島哲也監督、橋口亮輔監督、矢口史靖監督、李相日監督など日本映画界を代表する監督たちを100名以上輩出し、プロへの登竜門として広く認知されています。先週末、第36回モスクワ国際映画祭にて最優秀作品賞・最優秀男優賞のダブル受賞を果たした『私の男』の熊切和嘉監督も、第20回PFF準グランプリ受賞者です。

【第36回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)開催!】

本年度のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)は、9月13日(土)〜25日(木)の11日間(月曜休館につき)の開催が決定しております。
会場は、映画の殿堂である、東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋)。
プログラムは、世界最大の自主製作映画コンペティション「PFFアワード2014」をはじめ、「第23回スカラシップ作品『過ぐる日のやまねこ』プレミア上映」、世界的評価の高まる「羽仁進監督特集」、“見える特撮見えない特撮”をテーマに行う「素晴らしい特撮の世界」 、映画の想像力が炸裂する「SF映画特集」、矢口史靖&鈴木卓爾監督によるミニマル映画製作術「『ワンピース』プロジェクト20周年記念特別企画」、その他、映画の作り手に捧げるシンポジウムなど、映画という創造の最前線を展開します。
詳細はPFF公式ホームページ(http://pff.jp/36th/)にて発表して参ります。

執筆者

Yasuhiro Togawa