青山真治が!松江哲明が!美波が!各界の映画通が大絶賛! 伊の巨匠マルコ・ベロッキオの凄さを知れ!『マルコ・ベロッキオ特集』
衝撃のデビュー作『ポケットの中の握り拳』
今観るべき、その幻の傑作とは一体なんだ!?
7 月 5 日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて『マルコ・ベロッキオ特集』と題し、イタリアの巨匠ベロッキオ監督の名作 5 作品を一挙上映いたします。
監督デビューから 50 周年を前に各国から再度注目を集めているイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。第 68 回ベネチア国際映画祭での名誉金獅子賞受賞を踏まえ、2012 年にはベルリンで、2014 年には MoMA(ニューヨーク近代美術館)にて 1 ヶ月に及ぶ大回顧展が開催され、過去作約 20 タイトルを上映。満席の出る大盛況となり、その注目度の高さを見せつけた。
26 歳で監督デビューし、75 歳となる現在も映画製作に対する熱意は衰えることなく、49 年のキャリアの中で撮りあげた作品は優に 30 タイトルを越える。ほぼ 2〜3 年に 1 本のペースで新作を発表し続け、現在も新作が控えているというベロッキオのバイタリティには目を見張る。そして、カンヌ、ベルリンをはじめたとした国際映画祭の常連として数多の受賞歴を誇る彼の作品群は、1 本ごとのクオリティの高さを裏付けるものだ。なかでも、ベロッキオの処女作であり、49 年前に製作された『ポケットの中の握り拳』は映画史に残る傑作と名高い。“怒れる若者”の破滅的な盲目的暴力を描いており、主演ルー・カステルの狂気の存在感、作品から放たれるパワフルな熱量が、観る者に凄まじい印象を植え付ける。この作品でベロッキオは、イタリア映画界で究極の才能ともいわれるパゾリーニ監督をして、「それまでフェリーニやアントニオーニなどが作り上げてきたものを継承しながらも全く新しいものを生み出した凄まじき才能」と言わしめ、鮮烈なデビューを飾った。
日本においてもベロッキオの魅力を再認識すべく、同監督としては初となる特集上映が実施される。日本初公開となる『エンリコ四世』を含む、希少性の高い計 5 タイトルを一挙上映。日本では 30 年ぶりにスクリーンに蘇る幻の傑作『ポケットの中の握り拳』は同特集上映の中でもとりわけ話題性が高く、製作から半世紀が経過しても色あせないその圧倒的な作品力に、公開に先駆け鑑賞した各界の著名人からは熱烈な絶賛コメントが届いた。
■青山真治(映画監督)
『大人は分ってくれない』のように『ポケットの中の握り拳』もまたその奇跡的な一本なのだ。
映画史に鋭く突き刺さった「処女作の中の処女作」!!
■松江哲明(映画監督)
処女作ならではの暴力的なカメラワークと編集。だが最も恐ろしいのはパオラ・ピラゴラの美しさ。50 年近く経った今も、僕らを凶暴にさせる。
■美波(女優)
不気味、エグイでも嘘がない。
アレッサンドロの持つエネルギーは現代の、色んなモラルで潰された私たちの心に蘇る。
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青山真治が!松江哲明が!美波が!各界の映画通が大絶賛!
伊の巨匠マルコ・ベロッキオの凄さを知れ!
衝撃のデビュー作『ポケットの中の握り拳』
今観るべき、その幻の傑作とは一体なんだ!? 葛藤の爆発がモノクロフィルムを通して打ち鳴らされる。
残るのは緊張感からの解放と美しさだけだった。
■内藤瑛亮(映画監督)
まるで全身を包む虚無感を振り払うかのように、若者たちが不気味に躍動する。
不機嫌で投げやりな暴力の連続に、腹の底から戦慄がせり上がってきた。」
■青野賢一(BEAMS クリエイティブディレクター)
ギリシア神話の例を持ち出すまでもなく、聖なる者、神的なる者は何らかの「過剰」あるいは「欠如」を伴い姿を現す。そうした者への強い反発を示す若者アレッサンドロ。
彼の反発は、硬質なモノクロームの画面を、突然、痙攣的に切り裂いてゆく(自らもまた「そちら側」であるにも関わらず)。その時、握り拳は開かれる! そういう意味では、『ポケットの中の握り拳』は「手の映画」と観ることもできるだろう。握った拳ではなく、手あるいは指。手は、カトリックの宗教的所作において重要なものであるが、アレッサンドロにとってもまた重要なものだ。幾度か見られる祈りにも似た(いや、祈りそのものと言って差し支えなかろう)動作の後に何が起こるのか? ラストシーンになぜ「椿姫」のあの部分が流れるのか? ぜひ劇場で観て、考えてもらいたい作品である。
7 月 5 日(土)よりシアター・イメージフォーラムにて期間限定上映
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執筆者
Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa