『マトリックス』のプロデューサーと『P.S.アイラブユー』のリチャード・ラグラヴェネーズ監督がタッグを組み、全米ベストセラー小説を製作費60億をかけ製作した、ポスト『ハリー・ポッター』、『トワイライト』とも評される『ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』となり、11月30日よりシネマート新宿にて公開の運びとなりました。

小さな町を舞台に越してきた、謎めいた少女。彼女の家系は魔術や呪いに支配され、16歳になると「光」か「闇」のどちらかに選ばれる宿命を背負っており、彼女の力を巡って一族の中で攻防が繰り広げられる。少女の力は光となるか闇となるか?レナの家系の歴史とこの町に伝わる知られざる暗黒の秘密が明らかになっていくー。

本作は、スーパーナチュラルファンタジーの要素のほかに、ラブストーリーとしても全米では人気を博した。今回、本作の監督を務めたアカデミー賞脚本賞にノミネート経験を持ち、先日公開された『恋するリベラーチェ』の脚本を担当した、今注目のラブストーリーには定評のあるリチャード・ラグラヴェネーズからコメントが届いた。

「私は神話が大好きで、この小さな町に潜んでいる豊かで神秘的な世界にとても惹かれたんです。でも私がそれ以上に興味をそそられたのは、この本の中にあるもっと大きなアイディア、つまりイニシエーション(通過儀礼)の物語でした。原作はそれを非常に上手に描写しています。もうすぐ“クレイミング”(——光か闇、どちらかのキャスター(魔法使い)に選ばれる——)される少女は、自分が何者であるかを探らなくてはならなく、勇敢にも彼女のために立ち向かおうとする少年も、同様に自分探しをしなくてはならない。いろいろといじくってみることのできる、ユニバーサルなテーマだと思いました。私たちは誰でも自分が何者であるかを“クレイミング”しなくてはならないのです。先祖から受け継いだ環境とは関係なく、一個人として。」

「最初、原作者のマーガレットとカミには、原作本の精神とエッセンスを捉えてくれさえすれば満足、と言われました。映画の時間的制約の中で、私たちは否が応にもいくつかの要素とキャラクターを割愛せざるを得ませんでした。そのため、彼女たちが求めていたものは主にラブストーリーであって、それを我々がきちんと捉えていたと言ってもらえた時は興奮しました。」

「これほど壮大な物語を映画化する時、全てを詰め込むことは出来ない。この映画の鍵になるのはラブストーリーだと思いました。言わば「ロミオとジュリエット」のようなストーリーなんです。是非多くの人に楽しんでほしい。」

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執筆者

Yasuhiro Togawa