現在大ヒット上映中のエンターテインメント大作『グランド・イリュージョン』。ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンらハリウッドを代表する名優たちが集結し、スライハンドマジシャン、脱出アーティスト、メンタリスト、ストリートハスラーというスペシャルな技能を究めた男女4人が史上最強のスーパーイリュージョニスト・チーム“フォー・ホースメン”を結成し、想像を絶するトリック犯罪を重ねていく。その不可解なトリックにFBIとインターポールが動き出すが、イリュージョンのスペシャリストたちは誰よりも上をいっていた…。劇中に登場するイリュージョンは、世界屈指のマジシャン、メンタリストの協力のもと構築されており、その壮大なイリュージョンは、あの「ルパン三世」のモンキー・パンチや「メタルギア」シリーズの監督小島秀夫ら著名人までも魅了!
 そしてこの度、劇中のニューヨーク市内の高速道路追跡シーンで、車が通り次々に素早く変化する周りのグラフィックデザイナーを、日本人女性である竹之内真季さんが手掛けていたことがわかった。竹之内さんは最初から映画の仕事をしていたわけではなく、元々はコマーシャル用の写真のセットデザインをしていたという。そこで企画デザインを通して、もっと微妙で複雑な感情を伝える仕事がしたいと思い始めた頃、2009年にニューヨーク市の市長から、良き指導者として与えられるというMentorship/fellowshipを貰い、それがきっかけで映画産業の仕事に携わることになった。更にそこでプロダクションデザイナーとしてエミー賞を受賞したマーク・フリードバーグ氏の元で、映画関係のデザインの経験を積んだことを明かした。

 改めてグラフィックデザインで出来ることを聞いてみると、その名の通り、初めはデザインから始めると言う。「その映画の中で実在のものではない架空の世界をグラフィックで作り出すんです。コンピューター技術のおかげで5年前では不可能なことが実現でき、極端なことを言えば実際にその場所へ高い旅費を払っていかなくても済んでしまうようなことが可能です。また実在しなくてもグラフィックデザインによって、ブランド名から壁紙、街の連立した高層建築のようなもの等を映画館の大きいスクリーンで観ることができる、それはとても素晴らしいことだと思います。」また、仕事で大変だと感じる部分があるかどうかについては「この仕事に携わっていて一番難しいのは、凄まじい緊張と短い期限の中で仕事をしなくてはならないことが最も大変です。ただ、今の仕事が大好きなこともあり、仕事自体を難しいと思ったことはあまりないかもしれません。私は巨大な費用をかけたハリウッド映画でも、小さなスケールの芸術映画のようなものでも何でもやりたいという気持ちが強いのです。」と、自身の仕事に対する思いや、仕事の大きさ小ささは関係ないと前向きな姿勢を持って取り組んでいることを語ってくれた。

 最後に、竹之内さんのようなグラフィックデザイナー、海外で活躍をしたいと考えている人たちにアドバイスを求めると、「生きるということは冒険です。間違いという言葉もありません。あなたの周りで色々な人たちがアドバイスをしてくれるかもしれません。でも私は一番信じるべきは、自分の声だと思っています。是非、自身の情熱に従って行動してください。」と熱きエールを贈った。
 『グランド・イリュージョン』は現在も大ヒット上映中!

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執筆者

Yasuhiro Togawa