1977年にアメリカの作家オースン・スコット・カードによって執筆され、ネビュラ賞、ヒューゴ賞のダブル・クラウンの快挙を達成した『エンダーのゲーム』は、近年の日本のサブカルチャー界に熱狂の渦を巻き起こしているアニメ、漫画、小説、そしてゲームなどに多大なインスピレーションを与えた伝説的小説。
 
 宇宙戦争を“終わらせる使命”を背負って生まれた少年戦士エンダーの挫折と成長を描いたヒューマン・ドラマ──「エンダーのゲーム」は、その深淵な世界観やキャスティングの困難さ、そしてスケールの大きさから、長年にわたり映像化不可能と言われ続けていました。運命の少年エンダーを演じるのは、『ヒューゴの不思議な発明』のエイサ・バターフィールド。エンダーと共に戦う射撃の天才少女ぺトラに、『トゥルー・グリッド』でアカデミー賞ノミネートのヘイリー・スタインフェルド。エンダーの心の拠り所である姉バレンタインに、『リトル・ミス・サンシャイン』でアカデミー賞ノミネートのアビゲイル・ブレスリン。これらフレッシュな演技派俳優たちとハリソン・フォードをはじめとするハリウッドを代表する大物実力派俳優で映画化が実現いたしました。
 
 映画ファンのみならずクリエイターからも注目を集める本作の予告編は主人公エンダーのシーンからスタート。「エンダーよ、目覚めるのだ。地球を救う戦士として」と言われたエンダーは「僕には無理です」と答える。しかし「これは、お前の宿命なのだ」と少年エンダーが望まずとも背負う過酷な運命を予言する冒頭から始まり、その後の映像で明らかになるのは[かつて異星生命体との戦いにより地球が壊滅的な打撃を受けた][次の戦いのためにニュー・カインド(新世代の戦士)の育成を行っている][大人は子どもたちに対して“何かしら”の真実を隠している]ということ。そして戦いを望まない少年エンダーはバトルスクールで指揮を執るグラッフ大佐(ハリソン・フォード)からは「戦え。お前に選択肢はない」と追い詰められていく。この予告編だけでも日本のアニメ等に影響を与えたという作品だという事を感じられる。
 
 さらに、アニメ大国日本の多くのクリエイターや声優などに、影響を与えたと言われている本作を引っ提げて、世界のディズニーが12月29日(日)、30日(月)、31日(火)に開催されるコミックマーケット85(以下省略:コミケ)に初参戦することが決定。本作の宣伝プロデューサーでエンダー再誕プロジェクトの発起人の一人でもあるディズニーの百合草太郎氏は今回のコミケへの参戦について「原作を読んだときに、設定や主人公の描き方が凄く身近で魅力的に感じました。日本(のアニメ)っぽいなぁと。『エンダーのゲーム』は日本のアニメと同じように“人”をしっかり描いた作品、[ハリウッド(実写)がやっと日本に追いついてきた]と。日本のマーケットではアニメやマンガなどがもはやサブカルチャーではなく、日本のカルチャーそのものでマイノリティではありません。彼らは自ら面白いものを探しに行くカルチャーのパイオニアで、それが現代のマジョリティだと思います。今のマーケットは押し付ける“説得”ではなく“共感”して面白いものを楽しんでもらう時代。そんな方々が集うコミケに実際にこの夏参加して、その熱量と集客力は日本最大級のイベントだと感じましたし、映画の垣根を超え『エンダーのゲーム』というコンテンツで参戦できることを非常に光栄に思っています。」と語り、アニメ大国日本のカルチャーへの敬意とそのマーケットのへの注目を語る。
 
 絶版状態にあった「エンダーのゲーム」[新訳版](上下)刊行決定を皮切りに動き出したエンダー再誕プロジェクト。時を超えて今また新たな伝説を生み出している『エンダーのゲーム』。予告編でその伝説の一端をいち早く確かめて欲しい。
 
予告編::http://youtu.be/h5ny1CMjN64

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http://data.cinematopics.com/?p=51978

執筆者

Yasuhiro Togawa