2002年に記念碑的ドキュメンタリー『鉄西区』を発表以来、世界に驚きを与え続けているワン・ビン監督の最新作『収容病棟』。昨年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリを受賞した『三姉妹?雲南の子』につづいて、今年のヴェネチア国際映画祭に正式招待され、「ワン・ビンが再び映画の地平を切り拓いた」と絶賛を浴びたドキュメンタリーで、ワン・ビン監督初の日本との共同製作作品である。その『収容病棟』が、本日10/30、東京都写真美術館で行われた記者会見に於いて、2014年の初夏に決定した劇場公開に先駆け、2月7日?2月23日に開催される第6回恵比寿映像祭でジャパン・プレミアとして上映されることが発表された。

恵比寿映像祭は、展示、上映、ライブ・パフォーマンス関連イヴェントなどによって複合的に構成する映像とアートの国際フェスティバルで、会見には新ディレクターの北澤ひろみ、出品作家の朝海陽子、小沢剛らが参加。今年のテーマである「トゥルー・カラーズ」や主な出品作品が紹介された。ワン・ビン監督の『収容病棟』はその上映部門での出品で、同部門には他にアメリカのケント・マッケンジーや中国の宋冬、日本の藤幡正樹らが出品予定だ。

『収容病棟』は、中国南西部、雲南省の隔離された精神病院に収容されている患者たちを記録したドキュメンタリー。その病院には200人以上の男性と女性の患者が暮らしており、その多くが10年、20年と長く収容されている患者だという。これまでも『鉄西区』『三姉妹?雲南の子』などで、日常の記録の中に人間という存在の原初の力を浮かび上がらせて来たワン・ビン監督だけに、今回どんな映像になっているのか、日本での初のお披露目はファンの期待を大きく集めるだろう。また、映画監督としての評価とともに、アート分野の映像作家としても世界的に有名なワン・ビン監督の新作を、アートフェスティバルで見るというのも興味深い機会になるに違いない。

この日の会見では、ワン・ビン監督のビデオメッセージが届き、「恵比寿映像祭で日本でのプレミア上映が出来て嬉しい」とコメントしながら、最後に「あ、失敗だったかな」と照れ笑いする監督のシャイな様子が会場を和ませた。なお、映像祭期間中、『収容病棟』の上映に合わせてワン・ビン監督の来日も決定している。

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執筆者

Yasuhiro Togawa