『さよならアメリカ』で作家デビューし、芥川賞にノミネートされた注目の作家、樋口直哉が描いた青春小説『大人ドロップ』(2007年/小学館刊)が、
映画監督・脚本家・演出家・小説家と幅広いマルチな才能を発揮する飯塚健監督により実写映画化が決定しました。公開は2014年4月です。

主演は、現在放送中のNHK木曜時代劇「あさきゆめみし」出演中で、今年から来年にかけて「自分の事ばかりで情けなくなるよ」(松居大悟監督/2013年10月公開)、「愛の渦」(三浦大輔監督/2014年3月公開)、「ぼくたちの家族」(石井裕也監督/2014年公開)、「春を背負って」(木村大作監督/2014年6月公開)など映画主演・出演作が目白押しの 池松壮亮が務める。
映画界のみならず舞台、TVドラマなど各界のクリエイター達からも支持されるほどの演技に注目が集まっています。本作では、思春期特有の心のモヤモヤに翻弄される演技を披露し、もどかしくも、どこか懐かしく心地良ささえ感じる主人公・浅井由を瑞々しく演じています。

共演には、昨年『桐島、部活辞めるってよ』などで第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」での好演も記憶に新しい橋本愛ほか、小林涼子、前野朋哉などフレッシュで実力派俳優陣が勢揃いしました。

本作は、4人の高校3年生が、焦りと不安にうごめきながらもコドモからオトナへ変ろうとしたひと夏の物語。
無謀な行動や言動に思わずクスッと笑ってしまい、一方で誰もが経験した“あの大切な時間”の記憶を蘇らせ、胸を締めつけられるような感情に包まれる青春映画が誕生致しました。

●池松壮亮さんコメント:
この作品は、高校最後の夏の出来事を描いた物語です。
想いをよせる同級生に好きって言えない気持ち、友達との夏の思い出、子供と大人の間を行き来する心、たくさんの感情がつまった作品です。
学生の方には、今過ごしている時間の大切さに気づいてもらえたり、また、学校を卒業し社会人になっている方には、あの頃の夏の記憶を思い起こし心が温かい気持ちになっていただけたら嬉しいです。

●橋本愛さんコメント:
映画出演がしばらくぶりだったため、久しぶりに現場に参加したいという想いが強くありました。
そんな中、池松さんや前野さん、小林涼子ちゃんなど素敵な共演者の名前を聞き、ぜひご一緒したいと思い出演を希望しました。青春の“キラキラ”の中にいる人、“キラキラ”からはみ出た人、“キラキラ”にわざと飛び込む人。
ご覧になった方が、「あの頃」を思い出して、赤面してもらえたらいいな、と思いました。

●飯塚監督コメント

恋愛映画でも、三角関係の話でもありません。
もちろん恋愛は青春に付き物ですが、「青春」はもっと厄介で曖昧で多面的なものです。
自分の本当の思いにすら濃ゆい靄(もや)がかかっているようで、右へ向かうべきなのか、左へ向かうべきなのか、さまよう術すら知りません。
絶えず「何か」がざわざわして、もやもやして…。胸の奥はいつだって落ち着かない。
だから破裂寸前の風船みたいにイライラばかりが募って、「何を考えているかわからない」なんて言われてしまう。それがまた火に注ぐ油となって、余計ピリピリする。
そういった、とても一言じゃ表せない、正体不明の「何か」を映そう、そんな想いから生まれた   企画です。
若い世代だけでなく、通り過ぎた青春〈=コドモとオトナの狭間でもがいた経験〉を持つすべてのひとにご覧頂ける、“正しい”青春映画ができたと思います。
必要以上にのどが渇いた日々を、黒板の匂いと共に思い出して貰えたら、こんなに嬉しいことはありません。

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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa