「生きるのに飽きちゃったな…。」
金も仕事もなく、セックスのことばかり考えている狸穴勇介。
故郷に戻った彼は、顔に痣のある岡辺京子という女に出会う。それ以後、彼の生活に変化が起きるが…。
金欲、食欲、性欲。生きるって、何なのか? 本作は、苦悩しながらも“愛”と“幸せ”の形を必死に見つけ出そうともがく一人の男を通じ、生々しくも人間の業を描くことへ真正面から取り組んだ作品。
原作は、鬼才・ジョージ秋山。金の亡者を主人公にした「銭ゲバ」、飢餓から我が子の肉を食らう「アシュラ」等、デビュー以来、人間の善悪やモラルを問う姿勢を貫き、社会問題になるほど露悪的描写の漫画を描き続ける唯一無二な存在だ。

監督は、榊英雄。俳優として映画やテレビなど幅広く活動し続けながらも、『GROW –愚郎-』(2007)、『ぼくのおばあちゃん』(2008)、
「誘拐ラプソディ」(2009)など、様々な視点から人間ドラマを世に送り出している。
主演は、大森南朋。繊細な演技力、そして大人の男の色気を併せ持つ彼が、本作ではかつてないほど、徹底した人間のクズぶりをみせた。
また三輪ひとみが、惜しげもなく裸体をみせつつも、翻弄されるヒロインを体当たりで演じきる。
そして、NHK連続小説「あまちゃん」でも話題を集めた美保純が、熟女のエロスぶりを熱演。
ほか、怪優・田口トモロヲをはじめ、人気ドラマ「半沢直樹」で注目を集める滝藤賢一、また荒戸源次郎、寺島進、佐藤蛾次郎など、骨太な共演者たちが脇を固めている。

【主演・大森南朋コメント】
古くから友人でもある榊監督の心意気と、狸穴勇介という
どうしようもない男への興味から今回お引き受けしました。

【榊英雄監督コメント】
ジョージ秋山先生の傑作作品に挑むのは勇気が必要でした、故郷・五島を舞台に大森さんの肉体と精神を通して、原作に負けない【映画】が出来たと思います。

★幻冬舎文庫 上下巻
http://www.gentosha.co.jp/book/b6704.html
http://www.gentosha.co.jp/book/b6705.html
1996 年〜1999 年に「ビッグゴールド」で連載。その後、復刻版が出版された。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=50382

執筆者

Yasuhiro Togawa