『殺人の追憶』(03)『グエムル-漢江の怪物-』(06)『母なる証明』(09)と作品を発表するごとに、その完璧な構成力と斬新な映像で観る者を圧倒し、アジアのみならず世界中で注目を集める監督ポン・ジュノ。注目の最新作は近未来SFエンターテインメント超大作「SNOWPIERCER」(原題)。韓国の若き鬼才が初めてインターナショナル・キャストを迎え、英語作品として世界に発信する「SNOWPIERCER」の待望の日本公開が決定し、日本公開タイトル『スノーピアサー』として2014年2月、TOHOシネマズ六本木ヒルズ 他全国ロードショーされる。

 原作はフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」。舞台は、化学薬品によって地球温暖化を防ごうとした結果、新たな氷河期に突入して17年、すべてが雪で覆われた2031年の地球。生き残った人間はすべて一台の列車に乗って生活している、現代版“ノアの方舟”のような設定だ。映画は、先頭車両に乗って人々を支配する上流階級と、奴隷のような扱いを受ける後方車両の乗客たちの壮絶な戦いを描く。

 革命に燃える若きリーダーとなる主人公カーティスを演じるのは、『アベンジャーズ』(12)の大ヒットも記憶に新しいクリス・エヴァンス。共演には、アカデミー賞女優ティルダ・スウィントン、オクタヴィア・スペンサーを始め、ジョン・ハート、エド・ハリスら実力派俳優が勢揃い。また、ポン・ジュノ作品の常連でもあるアジア映画界きっての名優ソン・ガンホが、物語の鍵を握る謎の男を演じている。

 本作はグローバルプロジェクトとして、プロデューサーにはパク・チャヌク(『イノセント・ガーデン』(12))らが名を連ね、約400億ウォン(約35億円)もの製作費が投じられた。世界に先駆け、「雪国列車」のタイトルで公開された韓国では異例の大ヒットを記録しており、10月のフランス公開を皮切りに全米ほか世界中での公開が決定している。
 全世界に一大センセーションを巻き起こす『スノーピアサー』は2014年最大の注目作である。

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執筆者

Yasuhiro Togawa