SABU監督が10年ぶりに【監督・脚本・原案】を務める完全オリジナル作品『Miss ZOMBIE』が、10月3日に開幕する第18回釜山国際映画祭の「A window on Asian cinema」部門に選出されました。SABU監督は、「釜山は大好きな場所、そして凄くいい映画祭、大勢のファンが新作を待っていてくれる。選んでいただけて光栄です。」と喜びのコメントを寄せています。

『Miss ZOMBIE』は、ベルリン映画祭で激賞された『幸福の鐘』から10年ぶりに手掛けた完全オリジナル・ストーリー作品。裕福で幸せな寺本家にある日、檻に入れられた沙羅という若い女性が届けられる。生気のない眼と全身のおびただしい傷跡、「肉を与えるな」という注意書きに拳銃が添えられた彼女は、人間を襲うことのない種類のゾンビだった。周囲の人々に嫌悪されながらも、沙羅は寺本家で下働きすることになる。そんなある日、沙羅に懐いていた寺本家の幼いひとり息子・健一が溺死してしまい、母親の志津子に懇願された沙羅は、健一をゾンビとしてよみがえらせる。その日を境に沙羅は次第に人間味を増して艶やかになっていき、健一や男たちを魅了していく…。

SABU監督は本作について、「僕は一作目の『弾丸ランナー』を作ったときの気持ちを大切にしてきました。
映画は予算ではなく知恵。それは今までにあるもの、常識などをブチ壊すこと。僕は第一作目のような映画が作りたかった。『Miss ZOMBIE』は、そんな作品です。」とコメント。

釜山国際映画祭のディレクターを務めるキム・ジソク氏は、「SABU監督によるゾンビの再解釈。『Miss ZOMBIE』は人に危害を加えず、人間のペットもしくは奴隷になってしまったゾンビの話。悲劇はゾンビでなく人間の醜悪な欲望のために生じる。よって『Miss ZOMBIE』は痛烈な社会批判映画でもある。」と選出理由を語っている。

「久々のオリジナル、尖ったSABU作品を楽しんで欲しいです。」とSABU監督が語る『Miss ZOMBIE』は、9月14日から全国で公開。

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執筆者

Yasuhiro Togawa