10月17日(木)〜25日(金)に開催される第26回東京国際映画祭のコンペティション国際審査委員長に、中国映画界の名匠 チェン・カイコー氏が決定致しました。

チェン・カイコー氏は1993年カンヌ国際映画祭で『さらば、わが愛/覇王別姫』が中国映画史上初めてのパルム・ドールを受賞しました。第6回東京国際映画祭では、『さらば、わが愛/覇王別姫』が特別招待作品として上映され、第21回東京国際映画祭では世界で活躍する映画人として、その功績を称え黒澤明賞を受賞するなど映画祭にゆかりの深い監督です。

■■チェン・カイコー氏からのオフィシャルメッセージ

本当に優れた映画というのは、いつの時代もほんの一握りに過ぎません。映画を産業として考える場合、求められるのは「優れた映画」ではなく「売れる映画」です。とはいえ、個性のある、人の心を打つ映画は、どんなことをしても世に出てきます。なぜなら人生とは、人を感動させるものだから。優れた映画に出会えることを期待し、私は今回、審査委員長を務めます。優れた映画を見逃すことなく賞を授与し、若い映画人たちには、さらに良い作品を撮るよう励ましていきたいと思います。

<プロフィール> 
1952年北京生まれ。北京電影学院を82年に卒業後、『黄色い大地』(84)で長編映画監督デビュー。最も著名な作品『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)はアカデミー賞2部門にノミネートされ、カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)と国際映画批評家連盟賞を獲得。監督作品には、『始皇帝暗殺』(99)、『PROMISE 無極』(05)、ベルリン国際映画祭金熊賞にノミネートされた『花の生涯〜梅蘭芳〜』(08)があり、さらに『花の影』(96)『北京ヴァイオリン』(02)『キリング・ミー・ソフトリー』(02)『それぞれのシネマ〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜』(07)『運命の子』(10)などがある。最新作は“Caught in the Web”(12)。これまでにカンヌ、ベルリン、ヴェネチアのほか、中国、日本、イタリアの名高い映画祭で審査委員を務めてきた。2006年、第28回モスクワ国際映画祭で特別功労賞を授与されている。

執筆者

Yasuhiro Togawa