この度、第115回芥川賞をはじめ数々の文学賞を受賞した作家・川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』(新潮文庫刊)の映画化が決定し、豪華キャストが集結しました。

原作は、とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよったニシノユキヒコの恋と悲しみの道行きを彼と恋愛関係をもった数々の女性たちの視点から描いた連作短編集の傑作。ルックスもよく、仕事もでき、セックスもよく、女には一も二もなく優しく、懲りることを知らないニシノユキヒコ。稀代のモテ男だが、最後には必ず女性の方から彼の元を去ってしまう。ニシノの生き様が胸に切なく迫ります。

そんなニシノユキヒコ役には竹野内豊。その精悍なマスクもさることながら、『太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-』(11)でブルーリボン賞主演男優賞を獲得した確かな演技力で、彼をおいて他のキャストは考えられないほどリアルな“ニシノユキヒコ”を演じています。いままで誰も見たことのない彼の新たな魅力がスクリーンに映し出されます。さらに「ニシノユキヒコ」の魅力が奇跡のキャスティングを実現させました。ニシノを取り巻く魅力的な女性たちを演じるのは、今をときめく豪華女優陣。

ニシノとオフィスラブに発展する上司役には尾野真千子。ニシノの隣の部屋で同居している二人には成海璃子と木村文乃。ニシノの元恋人役には本田翼。10年前に恋に落ちた人妻役には麻生久美子。
料理教室でニシノに恋をしてしまう主婦役に阿川佐和子。そして、物語の重要なカギを握る15歳の少女役に、
期待の新人・中村ゆりか。

メガホンをとったのは、井口奈己監督。2008年、永作博美、松山ケンイチ主演でスマッシュヒットを記録した『人のセックスを笑うな』では、その独特な作品世界と映像センス、そして俳優本来の魅力を最大限引き出し、極上の恋愛映画に仕上げました。単館規模での公開ながら、評判が評判を呼び、ロングランを記録するなど、女性たちの圧倒的な支持を集めました。そんな井口監督による5年ぶりの待望の新作が遂に始動します!
ニシノユキヒコが幅広い世代の女性たちを相手に繰り広げる、華麗でありながらもどこか寂しげな“恋と冒険”に、世の女性たちはきっとトリコになるはずです。
海外でも高い評価を持つ井口監督作品。来年のベルリン映画祭への出品も視野に入れています。

竹野内豊(ニシノユキヒコ役)コメント
●ニシノユキヒコを演ずるにあたって意識していること・作品への意気込みなど
 (意識していること)
ニシノユキヒコは、男の自分からすると、何がそんなにいいのか理解しがたいところがたくさんあるので、監督をはじめ、とにかく女性が多い現場ということもあり、女性の意見を聞きながら、ニシノユキヒコという女性の理想の男を何とか理解しようとしています(汗)
 (意気込み)
 ニシノユキヒコに関わる女性は、皆、自ら去っていくのですが、皆、幸せだった・・・と感じているので、
映画を観て下さった方々にも、ニシノと過ごした時間は幸せだったと思って頂けるような作品になればいいなと思っています。
●ご共演された女優陣について
 本当に素敵な方々ばかりで・・・。とても幸せな撮影現場でした。
●井口監督について
 見た目からは想像つかないほどのドSな監督ですね。
 ラブシーンの時など、本番直前に「リハの10倍ラブラブな感じで!」などと言って、
 台本には書かれていないアドリブをかなり求めてきて、
 なかなかカットをかけてくれないので、
 私と尾野真千子さん二人で、R15指定にならないように、必死でカットを待っていました。

井口奈己監督コメント
●原作の魅力(ニシノユキヒコの魅力)
緻密な構成で、ニシノユキヒコ像をあぶりだす、こんな男に何故引っかかるんだろう?って思いながら読んでいるうちに、各女たちのニシノユキヒコとの時間に羨ましさを感じる瞬間に驚愕しました。
●5年ぶりの映画を撮影するにあたっての感慨や意気込み
 現実に撮影できることは奇跡のようで、自分の役割をまっとうしたいと思っています
●竹野内さんについて ニシノユキヒコがいる!と思いました(笑)
●豪華女優陣についてある意味ニシノにまつわる女たちの映画なので、それぞれ役にあった人たちが演じてくれるのが楽しみです。
●撮影現場での手応えなどいろいろな事が起きるのが現場ですが、小さなラッキーが積み重なって大きな成果が出るんじゃないかと思っています

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執筆者

Yasuhiro Togawa