『アメリカン・サイコ』や『ベティ・ペイジ』のメアリー・ハロン監督最新作『モスダイアリー』が、8月3日よりシネマート新宿他にて全国順次ロードショーの運びとなりました。単なるヴァンパイアものの凡庸なホラー映画ではなく、思春期に特有な微妙な混乱した心理状態、人間関係、身体の変化、家族の過去の悲惨な出来事などが影響し、連鎖する超常現象の形として表出する虚実曖昧な「エロティシズム」と「死」が絡み合うゴシックシネマです。

原作は、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」に影響を与えたと言われるシェリダン・レ・ファニュによる女吸血鬼の物語「吸血鬼カーミラ」の現代版とも評されるレイチェル・クラインが2002年に発表した同名小説。主演にはイギリスが誇るスーパーモデルのリリー・コール、デヴィッド・クローネンバーグ監督の新星ミューズとなった サラ・ガドン、そして、『スパイダーウィックの謎』(08)のサラ・ボルジャーという、今大注目の女優が大集結した。女子寄宿舎という独特なベールに包まれた閉鎖的な世界を舞台に、少女から大人に成長していく葛藤を耽美的に描き、ヴェネチア国際映画祭にて初お披露目され、その後も数々の映画祭に出品され、大絶賛を受けた。

本作は、ヴァンパイアが人間の姿でふつうに生活しているのか、それとも単なる思春期の妄想なのかという観たものの想像にゆだねられる内容となっている。そして今回、本作の内容にちなみ、“ヴァンパイア”を連れて3人以上で来場すると鑑賞料金が1,000円になるというキャンペーンが決定した!!!自称ヴァンパイアでも大丈夫とのことだ。ヴァンパイアかどうかをどのように見分けるかというのがポイントになってくるが、コスプレやメイクなどで見た目からしてヴァンパイアになりきっている人間はもちろん、「ヴァンパイアです」と自称してさえいればOKとのこと。たとえ人間がヴァンパイアになりすましていても劇場側に見分けるすべはないため、とにかく3人以上で来場すれば割引の対象になる。

くれぐれも、ヴァンパイアを気にするあまり、ニンニクを大量に持ち込むと他のお客様に迷惑なので、それだけは避けたいところだ。『モスダイアリー』は8月3日(土)よりシネマート新宿にて公開。 http://www.mothdiary.com

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執筆者

Yasuhiro Togawa