『サムサッカー』『人生はビギナーズ』のマイク・ミルズ監督が「うつ」をテーマに日本で
密着取材を敢行。
“心の風邪”をこじらせた普通の人々の、壊れそうだけど愛おしい日々の暮らしを描いた
ドキュメンタリー。

今や日本人の15人に1人がかかっているともいわれる「うつ病」。しかし、2000年までは「うつ」という言葉は精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった。なぜ、この短期間で「うつ」は爆発的に広まったのか? 90年代のユース・カルチャーを代表する映像作家マイク・ミルズは、その理由のひとつに製薬会社によって行われた「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンがあると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。舞台は近年、急速にうつが常識化した日本。撮影対象となる条件はふたつ。①抗うつ剤を飲んでいること。②日常生活をありのままに撮らせてくれること。
本作でマイク・ミルズは、うつ患者たちの壮絶な日常を、独特の優しく明るい目線で捉えることで、この現代を象徴する病気に対する処方箋を調合するとともに、今の日本社会の問題点も鮮やかに描き出す。

川勝正幸さんからのコメント
普通の人々がうつから抜けようと格闘する姿を現在進行形で描いた作品は初めてではないか。
マイクの反骨精神と粘り強さに、脱帽!
川勝正幸(エディター)「TV Bros」10年12月号掲載のコラムより抜粋

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執筆者

Yasuhiro Togawa