冷戦下時代に突入した1960年代のロンドン。思春期の揺れ動く心情と、成長する様を繊細に描く、サリー・ポッター監督が美しい映像でつづる最高傑作!!

2012年トロント国際映画祭 SPECIAL PRESENTATIONS部門出品2012年BFIロンドン映画祭 オフィシャル・コンペティション部門出品
2012年英国インディペンデント映画賞 主演女優賞(エル・ファニング)ノミネート
2012年タリン・ブラック・ナイト映画祭 監督賞受賞
2012年バリャドリッド国際映画祭 主演女優賞(エル・ファニング)受賞
2013年サンタ・バーバラ国際映画祭 ヴァーチュオソス賞(エル・ファニング)受賞

不老の身となり何世紀も生き続け、途中で男性から女性へと主人公が自然と性転換してしまうというヴァージニア・ウルフの名作「オーランドー」を独自の解釈を交え映画化した『オルランド』(92)。タンゴの魅力にとりつかれた女性映画監督、と著名なタンゴ・ダンサーの愛の物語『タンゴ・レッスン』(97)。第二次世界大戦前夜、ユダヤ人の娘が激動の時代を渡り歩いてゆく様を、多くの歌曲と共に描いたパリ・オペラ界の物語『耳に残るは君の歌声』(02)。文化の違いなど、愛し合いながらも決して相容れない2人の男女の葛藤と愛の軌跡を描いた『愛をつづる詩』(04)。これまで美しい映像美だけでなく、人々の心と心の触れ合いを大胆な独創性で観る者を魅了し続けてきた、イギリス人女性監督、サリー・ポッターの最新作は、刻々と変わりゆく社会の変革を通して成長していく、2人の少女の煩悶、葛藤、愛などが絡み合い成長していく少女の姿を描いたドラマだ。60年代の社会が不安と変貌で揺れる雰囲気を見事に再現し、女性監督ならではの描写で、常に一緒だった2人の少女の姿を微笑ましく、そしてそんな関係に亀裂が生まれてしまう姿を見事なほど繊細に描いた。そして、自分を取り巻く不秩序で矛盾だらけの世界を受け入れ、詩を通して自らの答えを出すラストは観る者の、深く心に残る作品に仕上がっている。
冷戦時代に突入した1960年代のロンドン。仲良しの女の子二人、ジンジャーとローザは、学校の授業をさぼって宗教、政治、ファッションに興味を示していた。だが、やがてローザが思想家でジンジャーの父親でもあるローランドに影響を受けただけでなく、彼に恋をし始めたことや、それぞれの反核運動への思いの違いから、二人の友情関係に亀裂が生じていく。

予告編::http://youtu.be/T6CtzmCy2YE

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執筆者

Yasuhiro Togawa