012年ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリに続き
ナント三大陸映画祭で最高賞&観客賞ダブル受賞!

2013年初夏に日本公開される中国のワン・ビン監督の最新作『三姉妹〜雲南の子』が、
11/26(現地時間)、ナント三大陸映画祭にて最高賞にあたる
「金の気球」賞と「観客賞」をダブル受賞。

劇映画『無言歌』が、初めての日本での劇場公開となり、キネマ旬報外国映画監督賞受賞ならびにキネマ旬報外国映画ベストテン第3位と、高く評価された中国のワン・ビン監督。その新作『三姉妹〜雲南の子』は、『鉄西区』『鳳鳴〜中国の記憶』などワン・ビン監督がまず最初に国際的な評価を築いたドキュメンタリーのフィールドでの新たな傑作です。ワールドプレミアとなったヴェネチア国際映画祭で、オリゾンティ部門グランプリを受賞したのを皮切りに、10月にはリスボン国際ドキュメンタリー映画祭でもグランプリを獲得。そして今日(現地時間11/26)発表されたナント三大陸映画祭でも最高賞にあたる「金の気球」賞と観客の投票によって選ばれる「観客賞」をダブル受賞いたしました事をご報告します。『三姉妹〜雲南の子』は日本では来年初夏シアター・イメージフォーラムほかにて全国ロードショーが決定しています。

三姉妹〜雲南の子
【解説】 中国、雲南地方、標高3200メートルの高地にある貧しい村に暮らす幼い三人の姉妹の生活に密着したドキュメンタリー。驚くべきことに、子供たちの両親は、母は昔に家を出て、父は町に出稼ぎに出て家に不在である。近くに伯母家族や祖父がいるものの、10歳、6歳、4歳の三姉妹は、農作業を行い、家畜の世話をし、自分たちだけで生活している。ワン・ビンのカメラは、過酷な環境の中に生きる子供たちをひたすら捉えながら、どのような状況にあっても生き続ける人間の尊厳と逞しさを見出している。この映画自体は直接的に政治的なメッセージを発するものではないが、経済的繁栄に沸く中国にあってこれほどまでの格差が存在しているという事実には驚かざるをえない。なお製作には、フランスと香港の製作会社があたり、中国資本は入っていない。

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執筆者

Yasuhiro Togawa