映画作家ペドロ・コスタと彫刻家ルイ・シャフェスーーー手渡された「白紙委任状(カルト・ブランシュ)」。ふたりのアーティストが選んだ映画の扉をひらく

原美術館で開催される「MU[無]─ペドロ コスタ&ルイ シャフェス」展に併せて、「映画」と「彫刻」という異なる表現領域で国際的に活躍するポルトガルの鬼才、ペドロ・コスタとルイ・シャフェスが選ぶ作品(日本語字幕があり、日本で上映可能なフィルム作品)を上映いたします。

 『ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェスのカルト・ブランシュ』
会期:2012年12月1日(土)〜3日(月)、7日(金)〜13日(木)
※12/1(土)と12/3(月)の上映後、ペドロ コスタ&ルイ シャフェスによるトークあり
●会場:オーディトリウム渋谷(渋谷区円山町1-5-2F TEL03-6809-0538)

●上映作品:
小津安二郎『父ありき』1942年/モノクロ/35ミリ/97分・・・12/1(土)20:40、12/12(水)16:10
カール・ドライヤー『吸血鬼』1930-31年/モノクロ/35ミリ/82分・・・12/2(日)20:40、12/10(月)16:20、12/11(火)11:00
アントニオ・レイス&マルガリータ・コルデイロ『トラス・オス・モンテス』1976年/カラー/35ミリ/111分・・・12/3(月)20:40、12/11(火)16:50、12/13(木)11:00
マノエル・ド・オリヴェイラ『アニキ・ボボ』1942年/モノクロ/35ミリ/71分・・・12/7(金)20:40、12/12(水)11:00
チャールズ・チャップリン『街の灯』1934年/モノクロ/35ミリ/86分/サイレント・・・12/8(土)20:10、12/12 (水)14:25
ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ『エンペドクレスの死』1986年/カラー/35ミリ/132分・・・12/9(日)20:10
ロベール・ブレッソン『バルタザールどこへ行く』1966年/モノクロ/35ミリ/95分・・・12/10(月)20:10、12/12(水)12:30
ジャン=リュック・ゴダール『彼女について知っている二、三の事柄』1967年/カラー/35ミリ/90分・・・12/11(火)20:10、12/13(木)13:10
アンドレイ・タルコフスキー『アンドレイ・ルブリョフ』1967年/モノクロ&カラー/35ミリ/182分・・・12/12(水)20:10
(併映)ペドロ・コスタ『ヴァンダの部屋』2000年/カラー/35ミリ/178分・・・12/10(月)13:00、12/13(木)20:10
ペドロ・コスタ『コロッサル・ユース』2006年/カラー/35ミリ/155分・・・12/11(木)13:00、12/13(木)15:00

●ホームページ http://a-shibuya.jp/archives/4339

■ペドロ・コスタ Pedro Costa
1959 年リスボン生まれ。リスボン大学を経てアマドーラの国立映画演劇学校に学び、アントニオ・レイスに師事。長編映画の第一作「血」(1989 年)を発表。以後『溶岩の家』(1994)、『骨』(1997)でポルトガルを代表する監督のひとりとして世界的に注目される。その後、少人数のスタッフにより、『骨』の舞台になったリスボンのスラム街フォンタイーニャス地区で、2年間にわたって撮影し、『ヴァンダの部屋』(2000)を発表、ロカルノ国際映画祭や山形国際ドキュメンタリー映画祭で受賞した後、日本で初めて劇場公開される。『映画作家ストローブ=ユイレ あなたの微笑みはどこに隠れたの?』(2001)の後、『コロッサル・ユース』(2006)、『何も変えてはならない』(2009)は、カンヌ映画祭他世界各地の映画祭で上映され、高い評価を受け、日本でも劇場公開された。中編新作の『Sweet Exorcist』(2012)は、オムニバス映画『ギマランイス歴史地区(仮題)』の一作で、第13回東京フィルメックス特別招待作品。

■ルイ シャフェス Rui Chafes
1966 年リスボン生まれ。リスボン芸術大学で彫刻を学んだ後、ドイツのデュッセルドルフ芸術アカデミーに学び、主に鉄による彫刻を制作。90 年代に入ると国際的に個展・グループ展への出品を重ね、ポルトガル現代美術界を代表する作家の一人となる。ヴェネチアビエンナーレ(1995 年)、サンパウロビエンナーレ(2004 年)などの大型国際展にもポルトガル代表として出品。日本ではハラミュージアム アーク(原美術館別館)の「ポルトガル現代美術展」(1993 年)に出品している。また、美術館やアートセンターでの個展は、ポルトガル以外でもドイツ、イタリア、スペイン、デンマーク、ブラジルなどで開催している。2005 年にポルトガル第二の都市ポルトのセラルヴェス美術館で開催した「FORA! /OUT!」展からコスタとのコラボレーションを始める。

執筆者

Yasuhiro Togawa