2013年度アカデミー賞主演女優賞ノミネート最有力!(マリオン・コティヤール)
2012年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品
2012年ハリウッド映画祭主演女優賞受賞
2012年ロンドン映画祭 最優秀作品賞受賞

『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』で世界中を魅了し、フランス人女優としては49年ぶり史上2度目のアカデミー主演女優賞受賞の快挙を成し遂げたマリオン・コティヤール。その後はハリウッドからのラブコールが相次ぎ、『ミッドナイト・イン・パリ』『ダークナイト ライジング』などの大ヒット作への出演も記憶に新しい彼女は、今や国際的に最も熱い眼差しを浴びる映画界のミューズとなった。そのコティヤールが現代のフランスを代表する名匠ジャック・オディアールと組み、“両脚をなくした女性”という難役中の難役に挑んだ話題作が『君と歩く世界』である。
 1994年に『天使が隣で眠る夜』で鮮烈な監督デビューを飾ったオディアールは『リード・マイ・リップス』『真夜中のピアニスト』といったサスペンスフルな快作を世に送り出し、一作ごとに評価を高め、いまやカンヌ映画祭やセザール賞の常連となった。前作『預言者』ではカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞。オスカー女優&名匠の初のコラボレーションは、まぎれもなく究極の愛の物語でありながら、通常の恋愛映画の概念では語り尽くせない至高のヒューマン・ドラマへと結実した。かくして本作は絶賛を博したカンヌでの上映、フランス国内でのスマッシュ・ヒットを経て、ロンドン映画祭で最優秀作品賞を獲得するなど、並々ならぬ大反響を呼び起こしている。
 南仏アンティーブの観光名所マリンランドのシャチ調教師ステファニーを突然襲った事故は、彼女の人生を一変させた。満場の拍手を浴びながら、シャチの華麗なショーを指揮している最中にステージが崩壊し、両脚を失う大怪我を負ってしまったのだ。失意のどん底に沈んだステファニーの心を開かせたのは、彼女自身にとっても意外な人物だった。ナイトクラブの元用心棒で、今は夜警の仕事をしているシングルファーザー、アリは他の人々のように同情心でステファニーに接するのではなく、両脚がないことを知りながら彼女を海の中へ導いていく。やがてステファニーは、どこか謎めいていて獣のように野性的なアリとの触れ合いを重ねるうちに、いつしか生きる希望を取り戻し、輝かしい未来へと歩き出していくのだった・・・。

きらめく、光。きらめく、海。きらめく、涙。 
きらめく、世界。 
絶望から希望へ。それでも人生に、光は射し込む—。

両脚を失ったシャチの調教師ステファニー。
ふたたび力強く歩み始める彼女の姿が胸を打つ、珠玉の愛の感動作。

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執筆者

Yasuhiro Togawa