「歪んだ愛」と「憎しみ」の間で、依存し合う”母と娘”に魂の救いはあるのかー
『アジアの純真』の片嶋一貴監督が描く、壊れた愛の物語

母は私を愛しているのだろうか、私は母を正しく愛せているのだろうか……。
これは、 母親からの嫉妬、支配欲から逃れたいと願いながらも、母に愛されたいと願う娘の痛みを生々しく描いた、歪んだ母娘の物語である。 年少期の母親との関係、母親の過保護や過干渉が原因である場合が多い境界性パーソナリティ障害を抱える女性たちの実体験をもとにストーリーが構成され、主人公の苦しみに共感の声が多く寄せられている。

主人公”カオリ”に、母親からの自立に苦しみ、揺れ動く20歳のリアルを見事に体現し、『ピストルオペラ』『誰も知らない』などで唯一無二の存在感を見せた韓英恵。もう一人の主人公”香織”に、『キネマの天地』で新人賞を総なめにした清純派女優のイメージから一転、本作では境界性パーソナリティ障害に苦しむ難役に挑んだ有森也実。また、今もっとも注目される若手実力派俳優の綾野剛、日本映画界を支える女優である室井滋、海外での活動も目覚ましい伊原剛志など、類い稀なる才能たちが集結。個性豊かな実力派俳優たちと共に、ロッテルダム映画祭に出品されるや否や、世界中で物議を醸した映画『アジアの純真』の片嶋一貴監督が、”母と娘”という普遍的なテーマに切り込む。

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執筆者

Yasuhiro Togawa