8月11日の公開以来、奇跡のロングランを続ける映画『桐島、部活やめるってよ』が、国内映画賞の先陣をきって発表された「第4回TAMA映画賞」で、最高賞といえる最優秀作品賞を受賞、さらに主演の神木隆之介、橋本愛が最優秀新進男優賞と最優秀新進女優賞を獲得し、3冠に輝きました。

朝井リョウの同名小説を原作に、吉田大八監督が映画化した本作は、高校を舞台に、バレー部キャプテンで校内ヒエラルキー最上位の「桐島」が部活をやめるというニュースが生徒間に駆け巡ることから生まれる人間関係のきしみを、主演の神木、橋本をはじめとする若いキャストたちで描いた青春群像劇の傑作。登場人物それぞれの視点で捉えられる多層的な構造と、誰もが持っている高校時代の記憶を残酷にも甘酸っぱくも刺激する繊細な描写で、見た後に思わず誰もが“自分自身”と重ねあわせて語りたくなる映画となり、見た後の感想Twitterが驚異的な数を記録。「自分の高校時代は(神木演じる)前田派か」「(橋本演じる)かすみ性善説か性悪説か」「不在の桐島とは何か」、多種多様な映画の感想や感動はさらにバズを巻き起し、通常は多くの映画が下降していく4週目以降にますます口コミが増殖し、公開7週目週末には興収が前週比200%超え、その後も好調を維持して、東京メイン館の新宿バルト9では当初4週の上映予定が9週目に突入してなおも続映中です。評論家による高い作品評価とともに、SNS時代を象徴する全く新しい形の口コミによって生まれたヒット作、「桐島現象」とさえ呼ばれる異例の展開をつづける『桐島、部活やめるってよ』は、今後も賞レースの大注目作になることは間違いありません。
なお、本映画賞授賞式は、吉田監督、神木隆之介、橋本愛登壇予定で11月23日(金・祝)に行われます。
第4回TAMA映画賞の受賞結果につきましては、右記HPをご覧ください。http://www.tamaeiga.org/2012/

第4回TAMA映画賞
最優秀作品賞:桐島、部活やめるってよ 最優秀新進男優賞:神木隆之介 最優秀新進女優賞:橋本愛

■受賞コメント
吉田大八監督:さまざまな試行錯誤を重ねつつ挑んだ、若い俳優たちとの共同作業の結果に、思いがけず高い評価を頂いたことに驚きました。彼らの底力と、それを発揮する場を用意したスタッフ全員の努力を認めていただき感謝します。ありがとうございました。

神木隆之介:今回このような素晴らしい賞を頂く事が出来、そして、僕が愛するこの作品で受賞する事が出来て本当に光栄です。支えて下さっている皆さんに、そしてこの映画を愛して下さっている全ての皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

橋本愛:高知の生きている学校で1か月、青春を謳歌した私たちの切り取られた日々が、観てくれた方々の一部となって、時には意図を越えた部分で増殖した、一種の”現象”と呼ばれるものさえを目で耳で肌で感じることができた、大切な作品です。本当に一生大切です。改心する機会をくれた作品への評価が形になったこと、そのきっかけをくれた役者のみんなを背負って賞をいただけること、本当に有難く、とても嬉しい気持ちです。これを褒美だと思わず、追風に変えてこれから向上していきたいです。本当にありがとうございました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa