美術とは、見ることで得られる快楽を刺激するサービス業———。
会田誠は、斬新かつ豊かな発想と卓越した筆力による大胆な表現で、『巨大フジ隊員VSキングギドラ』『あぜ道』『切腹女子高生』など話題の作品を発表し、注目を集めてきた。絵画、写真、立体、パフォーマンス、インスタレーション、小説、漫画と表現領域も多岐にわたり、デビューから20年以上、変幻自在ながらも独自の路線を歩み続けている。日本現代美術における「ゼロ年代作家」のトップランナーたる存在の会田だが、これまで表立った舞台にはほとんど登場してこなかった。

生まれながらの芸術家・会田誠の世界に迫る!
2009年夏、カメラは北京で制作中の会田に密着し、“生まれながらの芸術家”の生態と本音を赤裸々に、余すところなく映し出した。すべての常識と制約を取り払い、会田誠の「エロスと毒」の核心を描くのは、長年ドキュメンタリーを主戦場としてきた監督・渡辺正悟。1年に及ぶ撮影は、追い詰められた美術家の内面を徹底的に捉え、同時に、ユーモアに満ちた“奇才”の新たな一面にも触れている。同じ現代美術家である妻・岡田裕子のナレーションも相まって、映画は人間としての会田誠の本質的な魅力にさらに迫るものとなった。

2012年11月10日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開

予告編::http://youtu.be/sjJeY-M23Vc

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執筆者

Yasuhiro Togawa