2011年公開の『冷たい熱帯魚』『恋の罪』で国内の映画賞を総ナメにし、2012年1月公開の『ヒミズ』がヴェネチア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞を主演のふたりにもたらし、最新作『希望の国』で新たな原発爆発が起こった日本の日常を描き出し、日本映画で唯一の快挙であるトロント国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞した園子温監督の初の痛快エンタテインメント映画『地獄でなぜ悪い』が撮影中であることをご報告いたします。

園監督自身の「アクション映画を撮りたい!」という強い気持ちから、15年以上前のシナリオを見つけ出し、製作に至りました。インディペンデント界で名を轟かしていた“かつての奇才”と世界が認める“現在の鬼才”。同じ園子温ながらも、ふたりの監督のコラボレーションともいえる作品です。

本作は8月15日にクランクイン、まもなくクランクアップ、年内完成、2013年春公開を予定。
対立するふたりの男を中心に女優(くずれ)と映画監督(くずれ)と通りすがりの普通の男が絡み合い、生まれるはずのない愛情とパッションがほとばしる!
このとんでもない世界観を体現するのは國村隼、堤真一、二階堂ふみ、友近、長谷川博己、星野源。
日本映画界を支える名優、園組常連、まさかのキャスティングで贈る様々な形の過激な愛の物語、新しいバイオレンス・アクション・ラブコメディがまもなく誕生いたします!

≪園子温監督コメント≫
このシナリオは15年ほど前に書いていたもので、それを今の僕が共同脚本するような気持ちで加筆しました。
『キル・ビル』っぽい、と言われることもあるけれど、先にシナリオは書いてたので、どこか似てたとしてもそれは偶然です(笑)。
とにかく過激で、しかもいろんな要素がてんこ盛り。
だからいろいろなジャンルの方にお声掛けさせていただきました。
今回は純粋にお客を楽しませられればいいと思っています。
実は裏テーマに「35ミリ映画への愛」も詰まっています。

≪國村隼コメント≫
今回のお話を頂いた時、まず、園監督とご一緒したいと思い即決でした(笑)。
もちろん頂いたシナリオもおもしろくて、とんでもない世界の中に美しい言葉が弾丸のように飛び交うすばらしいものでした。
ただ、この世界に生身の人間として入っていくのは勇気がいるなあ、と。
あまり考えてもしょうがないので、せいぜいストレッチでもして現場に臨みます(笑)
僕が園監督の世界に惹かれるのは、登場するどのキャラクターも、人としての業や悲しみを持ち、しかも普遍性をもって存在させる凄さがあるからだと思います。
今回はコメディー仕立てでもあるので、笑ったりギョッとしたりエンターティメント性豊かな作品になるのではないでしょうか。
ともかく、撮影現場に入るのが楽しくてしかたありません。

≪堤真一コメント≫
脚本を最初に読んだときからとても面白いと思いました。
監督に初めて会った時はとてもシャイな方だと感じましたが映画の話をし出すと止まらない。
本当に映画のことが好きなんだなぁと思い、「ぜひ一緒にやってみたい!」と出演を決めました。
今回は極道の男を演じますが、全体的にはコメディなので、あんまり意気込みすぎないようにしています。

≪二階堂ふみコメント≫
楽しくて、面白くて、激しい、竜巻の中にいるような現場です。
行きかう映画愛と愛すべき人達をご期待ください。

≪友近コメント≫
園監督は起用する俳優女優さんのそれまでの印象を一気に覆します。
演者がもともと持っているものや持っていないものまでを最大限に引き出してくださる救世主みたいな方だとイメージしております。
私も園監督によって化けさせていただけたらと思います。
お話しをいただいた時はホントに嬉しかったです。
バイオレンスものが好きで人間くささがすきな私にとったら最高の役どころでございます。
なにがなんでもスケジュールお願いしますと事務所にいいにいきました!!

≪長谷川博己コメント≫
こんな映画のこんな役を演じてみたかった。
まさに“待ち望んでいた役”
映画の神様ありがとう!
念願の園作品を満喫したいと思います。
これは35ミリへのオマージュです。

≪星野源コメント≫
中野武蔵野ホールの特集上映で『自転車吐息』を観たのが十数年前。
園さんの作品に初めて参加します。
シナリオを読んでぶっ飛びました。とんでもない熱量。
毎日の撮影が本当に楽しくて、興奮しっぱなしです。皆さんが大喜びするような作品になると思います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa