このたび、ジェームズ・アイヴォリー監督作『最終目的地』(原題『The City of Your Final Destination』)が10月6日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開いたします。本作は『眺めのいい部屋』、『ハワーズ・エンド』、『日の名残り』など映画史に残る文芸ドラマの名作を生み、3度のアカデミー賞監督賞ノミネート経験を持つ現在84歳の現役最高峰監督ジェームズ・アイヴォリーのまさに集大成といえる作品です。繊細なウィット、美しい情景、そして運命的なロマンス。小説のページを繰るように味わう、最高に洗練された文芸作品が誕生しました。

本作では、アメリカの現代作家ピーター・キャメロンの同名小説を原作とし、亡き作家の妻、作家の愛人、作家の兄とそのパートナーの男性が暮らす南米ウルグアイの人里離れた邸宅に、作家の伝記執筆の許可を得るためにひとりの青年がやって来たことで起こる人生のさざ波を描き、登場人物それぞれが抱える事情と人間模様を巧みに織りこみ、人生の“最終目的地”を問う物語を描き出しました。

出演はオスカー俳優アンソニー・ホプキンス、オスカー3度ノミネートの実力派女優ローラ・リニー、フランスを代表する女優シャルロット・ゲンズブール、アメリカの新鋭オマー・メトワリー、そして日本を代表する国際派俳優・真田広之の豪華競演が実現しております。

格調高いアイヴォリー作品の世界観を支えるのは『眺めのいい部屋』、『ハワーズ・エンド』でアカデミー賞脚色賞を2度受賞している脚本家ルース・プラワー・ジャブヴァーラ、撮影はゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)6度受賞のスペインの名カメラマン、『宮廷画家ゴヤは見た』のハビエル・アギーレサロベ。そして物語を彩る音楽は『モーターサイクル・ダイアリーズ』でウルグアイ人として初めてアカデミー賞主題歌賞を受賞したホルヘ・ドレクスレルが手掛けており、エンディング曲〈EL MUSEO DE LAS DISTANCIAS ROTAS〉と〈LA BRUMA DEL AYER〉の2曲を書き下ろしています。ウルグアイの伝統音楽とボサノヴァ、ポップス、ジャズ、エレクトロニカのコンビネーションを特徴とするホルヘ・ドレクスレルの音楽が、映画のなかに溢れる気だるい南米の空気を見事に感じさせ、優雅な映像美を一層魅惑的なものにします。

※音楽は映画予告にて一部お聴きいただけます。
Youtube : http://www.youtube.com/user/uzumasafilm?feature=mhee
※サウンドトラックのCD発売、配信リリース等は予定されておりません。

音楽/ホルヘ・ドレクスレル Profile
1964年9月21日、ウルグアイ生まれ。5歳でピアノを、11歳でクラシック・ギターを始める。89年から作曲を始め、92年にデビューアルバム〈LA Luz QUE SABE ROBAR〉を発表。『モーターサイクル・ダイアリーズ』(03)の〈AL OTRO LADO DEL RIO〉でスペイン語楽曲およびウルグアイ人として初めて米アカデミー賞主題歌賞を受賞。授賞式では知名度の低い彼に代わってアントニオ・バンデラスとカルロス・サンタナが曲を披露したため、受賞の壇上でスピーチのかわりにアカペラで自ら歌って話題をさらった。近年はウルグアイのミュージシャン仲間とアルバムを製作、カタロニアの7都市で行った07年11月のツアーを録音した〈CARA B〉(08)はスペイン音楽院賞の最優秀アルバム賞を受賞したほか、グラミー賞やラテン・グラミー賞にもノミネートされた。『最終目的地』にはエンディング曲〈EL MUSEO DE LAS DISTANCIAS ROTAS〉と〈LA BRUMA DEL AYER〉の2曲を書き下ろした。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=50426

執筆者

Yasuhiro Togawa