かつて伝説となったキャバクラ嬢がいた—-。リアリティの衝撃と“悪のヒロイン”の圧倒的な魅力で30万部のヒットを放った立花胡桃の自伝的小説「ユダ」の映画が、遂に2013年1月に公開となる。

ある「裏切り」から自身の弱さを嫌悪した女子高生の絵里香。彼女は、欲望渦巻くキャバクラの世界に飛び込み、胡桃という名でのし上がっていく。No.1キャバクラ嬢として君臨してもなお、男達を操り、大金を稼ぎ続ける絵里香の心に潜む、誰にも見せられぬ怖れと孤独。ゴールの見えぬ野望に向かって走り続ける彼女が、たどり着いたところとは?

夜の世界を駆け抜けたひとりの女性の激しい野望と心の揺れをスタイリッシュな映像で鮮烈に描く映画『ユダ』。絢爛豪華な世界に身を置きながらも、欠落感を抱いてもがきながら明日を目指す、ひとりの女性の魂の軌跡は、現代に生きる多くの女性達の共感を呼ぶに違いない。

監督は、本作が初監督映画となる大富いずみ。約3000人のオーディションを勝ち抜いて絵里香役を掴んだ水崎綾女が映画初主演を飾る。プロデューサー、撮影などにも女性達の才能が結集、女性目線のリアルな映画となっている。

絵里香を巡る男達を演じるのは、個性的な俳優達。劇団EXILEの青柳翔が、若き金融界のカリスマ・大野を、虚無感と優しさが同居する繊細な演技で魅せ、人間味ある新海を静かに演じたのは、舞台の活躍もめざましい若手俳優・田島優成。哀しくも狂気に満ちたベートーベンを体現したのは、実力派・水橋研二。冴木を冷たく、切なく、コントラストのきいた演技で表現するのは、個性派・板尾創路。彼らの魅力もまた、物語を力強く支えている。

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執筆者

Yasuhiro Togawa