作品を発表するごとに話題を呼ぶ鬼才・園子温が、東日本大震災から数年後の日本を舞台に、オリジナル脚本を手掛けた渾身の一作『希望の国』が10月20日に公開となります。映画の公開を前にこの度、映画の原作本「希望の国」(園子温著/リトルモア)が9月8日(予定)に刊行される運びとなりました。

主演のふたりに第68回ヴェネチア国際映画祭マルチェロ・マストロヤンニ賞をもたらした前作『ヒミズ』では、津波の被害が甚大だった石巻でロケを行い、賛否を巻き起こした園監督。『ヒミズ』完成直後から、津波と原発を切り離して描きたいと考え、新作『希望の国』の制作に入りました。

遅々として進まないシナリオを前に、実際の福島の声を集め、映画にしようと思いたちます。園監督は何度も何度も福島を訪ねました。怒り、不安、混乱、苦しみ……あらゆる思いが集まり、やがて、原発に揺れる、ある家族の物語が生まれます。本書は、その物語と、物語が生まれる過程を追った“半ドキュメンタリー”小説です。

「希望の国」
園子温・著
9月8日発売予定
価格1575円(税込)/四六判/並製/272ページ

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執筆者

Yasuhiro Togawa