親指トムの冒険は、親に捨てられたことにより始まり、鬼に喰われることでクライマックスを迎える…。子どもに語るには残酷過ぎる、中世ヨーロッパの闇と人間の欲望。本作は、名作童話「親指トム」の残酷描写を惜しみなく描いた。「8人の女たち」「まぼろし」などのオゾン作品で脚本を手掛けてきたマリナ・ドゥ・ヴァン監督・脚本作。「ポンヌフの恋人」のドニ・ラヴァンが人喰い鬼役を務めている。

*童話「親指トム」とは*
元々はイギリスの民話であり、不妊に悩む夫婦のもとに産まれた親指サイズの男の子の物語。ヨーロッパでは、ドイツのグリム兄弟、イギリスのJ・ジェイコブズ、フランスのシャルル・ペロー(1628-1703)によってまとめられている。本作は1967年に書かれたシャルル・ペロー版。17世紀当時フランスでは幾度も飢饉に見舞われ、1963年にも大飢饉が起こった。そのため、この残酷な物語は子どもへのファンタジーだけでなく、悲惨な史実が織り込まれていると言われている。

10/6より、ヒューマントラストシネマ渋谷にてレイトショー公開決定!

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=50662

執筆者

Yasuhiro Togawa