『Keiko』(79)でセンセーショナルなデビューを飾って以来、カナダと日本を舞台に意欲作を発表し続けるクロード・ガニオン監督の最新作『カラカラ』が8月23日から開催される第36回モントリオール世界映画祭コンペティション部門への出品が決定いたしました。
本作はオール沖縄ロケで撮影された、日本・カナダ合作映画であり、第二の人生の岐路に立ったカナダ人男性ピエール(ガブリエル・アルカン)と純子(工藤夕貴)の二人が沖縄を旅する中で、自らの生き方を見つめ直すロードムービーです。
クロード・ガニオン監督は、モントリオール世界映画祭において『ケニー』(87)がグランプリ、『KAMATAKI-窯焚-』(05)が監督賞ほか5部門受賞を果たしており、本作の受賞も大いに期待されます。

◎工藤夕貴さんコメント
監督から熱い思いを聞き、コンペ出品が決まってくれたらいいなと心から願っていたので、決定の連絡を聞いたときは、飛び上がって喜びました。
ロケで行った沖縄の具志川島という無人島は、こんなにもキレイな場所が日本にあったのかと、すごく感動しました。島では風に吹かれて大変だった思い出もありますが、いつかまた、プライベートで戻ってきてみたいです。
私が演じた純子は、それまで必死にやってきたけれど、あるきっかけで大人の家出をしながら、どう年を取っていくのか、どう成長した子どもと向き合っていくのかを考えるようになります。そしてピエールとの出会いを通じて、生きることの希望や夢を取り戻し、新しい人生のスタートはいつだって遅くないのだと気付く姿を、こそばゆく感じながら演じました。
これまでしっかりとしていて、耐える役を演じることが多かったのですが、私自身は悩みながら生きる純子のようなタイプに共感します。今回も、自分との葛藤の中で表現できたらと思い、どうしたら現実味を加えながら演じられるかを監督と話し合うなど、監督の力を借りながら役作りをしていきました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa