サシャ・バロン・コーエン主演の大爆笑コメディ映画『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』で、ニューヨークにある本物の国連本部の前で撮影を行っていたことが明らかとなった。

『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』は、自由の国アメリカで身元不明となった《世界で1 番キケンな独裁者》に襲いかかる人生最大の試練と恋を描いた、爆笑珍テロ・コメディ。国際社会をナメきったアブナイ独裁者、アラジーン将軍(サシャ・バロン・コーエン)は、核開発を疑う国連から、ニューヨークのサミットで釈明しないと空爆を開始するゾと呼び出しをくらいアメリカへと向かう。観光気分でアメリカに降り立った将軍様を待ち受けていたのは、独裁者に対するニューヨーク市民による抗議デモ。しかし将軍様はなぜかご満悦の様子。「アメリカは大好きだ。ここには私を愛する人が実にたくさんいるではないか。ホテルの外には<アラジーン将軍!>と書いたプラカードを持った支持者があふれている。そこになんて書いてあるかは読めないんだけどね」

将軍様がラクダにのってパレードするニューヨーク5番街や、ニューヨーク滞在先のルーズベルトホテル前など、将軍様の行く先々で抗議デモが行われる。なかでも国連本部前には何百人もの抗議者が集まり、ついには放水車まで出動する事態となってしまうのだが、このシーンは実際の国連本部前で撮影が行われたという。これまでドラマ作品で撮影が行われたことはあったが、コメディ映画から撮影申請を受けるのは国連にとっても今回が初めて。もしかして、国連担当者は『ボラット』も『ブルーノ』も観たことがなく、製作チームにダマされて撮影を許してしまったのではと心配になってしまうのだが、「正規」の撮影許可について監督のラリー・チャールズは語る。「ある独裁国家が民主主義を勝ち得るまでの苦闘を描いた物語、ということで特別に許可をもらった」

それって十分ダマしているような気がしなくもないが、そんな国連も認めた社会派!?コメディ映画『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』は9月7日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=50187

執筆者

Yasuhiro Togawa