2011 年、各国の映画祭でひときわ注目を集めた映画があった。

サンダンス映画祭、英国アカデミー賞をはじめとする主要映画祭、映画賞にて25 部門以上の受賞&ノミネートを果たし、インディペンデントでありながらオスカーの可能性も囁かれるほどに賞レースを席巻した映画——それが『思秋期』である。描かれるのは、せちがらい世の中で孤独と傷を抱え、もがくように生きてきたある男女の出会いと絆。

激しく痛烈な描写、そして心を打ちのめされる予期せぬ展開。人生の折り返し地点“思秋期”を迎えた男女の、単なる甘く切ないラブストーリーとは一線を画す厳しさをたずさえながら、その先には暗闇に射す一筋の希望と胸のすくような感動が待ち受ける。本作で監督&脚本を務め、鮮烈な長編デビューを遂げたのは『ボーン・アルティメイタム』『ブリッツ』などに出演し、俳優としてその顔を知られるパディ・コンシダイン。新進気鋭の卓越した才能を見せつけ、世界中の批評家たちをうならせた。そして、名優ピーター・ミュランや実力派オリヴィア・コールマン、個性派エディ・マーサンら英国が誇る一流の役者陣が結集し、今を生きることに戸惑う“等身大の大人たち”を確かな演技で体現。厳しくも美しい人間ドラマの真髄がここに誕生した。

2011 年東京国際映画祭にて原題『ティラノサウルス』で上映され、大好評を博した1 作。オリンピックイヤーで盛り上がる英国が放つ、今年一番の傑出ヒューマンです。

10 月、新宿武蔵野館ほか全国順次公開決定!

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執筆者

Yasuhiro Togawa