ワーナー・ブラザース映画配給、宮沢賢治原作、映画『グスコーブドリの伝記』が7月7日より全国公開になります。
名作『銀河鉄道の夜』のチームが5年の歳月をかけて、あらゆる世代へ語り継ぐ愛と勇気を描いたファンタジー大作です。
本作の音楽を担当したのは、世界的なバンドネオン奏者の小松亮太。その彼がすべての曲の作曲も担当しています。
そして、この度、映画の世界観が伝わる本作のオリジナル・サウンドトラックが本日6月6日(水)より発売となりました。
なお、7月4日には、小松が、デビュー以来手掛けてきたタイアップ楽曲を網羅したベストアルバム「ジャバラライフ」も発売となり、ますます注目度が高まること間違いなしです!

【サウンドトラック情報】

タイトル:映画「グスコーブドリの伝記」 オリジナル・サウンドトラック

6月6日発売
\2,940(税込)
SICC-1550

■収録曲
01:「グスコーブドリの伝記」メインテーマ(オープニング)
02:暮らし
03:冷害
04:コトリ
05:工場長
06:夢I
07:赤ひげI
08:赤ひげII
09:赤ひげIII
10:夢II
11:クーボー博士
12:サンムトリ火山
13:カルボナード火山
14:決意
15:「グスコーブドリの伝記」メインテーマ(エンディング)

[ボーナストラック]
16:生まれ来る子供たちのために(インストルメンタル)

【小松亮太さんコメント】

最初にメインテーマが欲しいと言われて書いた曲を杉井監督は「いい曲だけれども、メインテーマというよりは“ブドリ”の個人的な気持ちという感じがする。これは“ブドリ”の曲として柱にしましょう」と言いました。

僕は“ブドリ”に対して哀しいほど誠実な人というイメージがありますが、今となっては監督が言ったことがよくわかりますね。

“工場長”に関してはクセが強い人のイメージでと監督に言われて、曲を書きました。“赤ひげ”はフーテンのイメージなんです。
僕は曲を作るとき深刻に考えてしまうほうですが、この曲はわざと時間をかけないで、手を抜いて作ったんです。
そのほうがフーテンのいい加減な感じが出ると。
メロディはトロンボーンに吹いてもらったんですが、酔っ払った感じで演奏してくださいとお願いしました。

“コトリ”には飄々とした不気味さがある。最初、“コトリ”のテーマはバンドネオンがメロディをとるつもりで書いたんですが、バンドネオンは意外と真面目な音がするので、リコーダーに楽器を変えました。小学生がリコーダーで『ドナドナ』を演奏したような、ちょっとした不気味さが欲しかったんです。

火山のように自然に関係のある場面の曲は特定のローカリティーが出てはいけないと感じて、シンフォニックな曲にしました。
タンゴは個人のメンタリティーを映し出すのには向いていますけれど、自然の大きさを表現する場合は違うと思ったので。

またバンドネオンに関しても、いってみれば特殊楽器ですのでいつも鳴っているわけにはいかないと思うんです。
全体の3分の1はまったくバンドネオンを使いませんでした。
今回1本すべての映画音楽をやってみて、作曲家としても今後やっていきたいという覚悟ができました。

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執筆者

Yasuhiro Togawa