宮崎あおい×向井理  初共演!夫婦役!
2013年、最も切なく愛おしい<夫婦の愛の物語>

このたび、西加奈子著「きいろいゾウ」が実写映画化されることが決定いたしました。
2004年に「あおい」でデビューするやいなやたちまち次回作「さくら」でベストセラー作家入りを果たし、2007年には「通天閣」で織田作之助賞を受賞するなど話題の絶えない西加奈子の3作目「きいろいゾウ」は、老若男女問わず高い評価を得ている夫婦の大きな愛の物語になります。
主人公のツマを演じるのは、『ソラニン』(三木孝浩監督)、『オカンの嫁入り』(呉美穂監督)、『神様のカルテ』(深川栄洋監督)、『ツレがうつになりまして。』(佐々部清監督)などで主演を務め、今や日本映画界を代表する女優、宮崎あおい。
夫のムコ役には、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」村井茂役で一気にお茶の間の人気を博し、『BECK』(堤幸彦監督)、『僕たちは世界を変えることができない。』(深作健太監督)などの話題作へ出演、2012年は『ガール』(深川栄洋監督)、『新しい靴を買わなくちゃ』(北川悦吏子監督)の公開が控える注目の俳優、向井理が演じます。

原作「きいろいゾウ」の帯コメントに「いつか、この小説の「ツマ」役を演じてみたいです。」とメッセージを寄せていた宮崎あおいと、雑誌ダ・ヴィンチにてお薦めの一冊として本作をあげた向井理。今をときめく2人の俳優が出演を熱望した『きいろいゾウ』。初共演となるふたりが、切なくも、深い優しさで包み込む夫婦の愛情を魅せていきます。

メガホンを取るのは、2003年『ヴァイブレータ』で第25回ヨコハマ映画祭にて監督賞を始め5部門を受賞したほか、40以上の国際映画祭で数々の賞を受賞し一大センセーションを巻き起こした廣木隆一。『余命一ヶ月の花嫁』『雷桜』『軽蔑』など男女の愛の様々な形、心の機微を見つめ続けてきた廣木隆一が、互いへの大きな愛情ゆえにすれ違う夫婦の切ない想いを繊細な描写で映し出します。2013年、最も切なく愛おしい<夫婦の愛の物語>をお届けします。

<ツマ(妻利 愛子・ツマリ アイコ)役:宮崎 あおい>

■元々、西加奈子さんの原作がお好きだったと伺いました。映画化にあたり、ご出演が決まった時の感想を教えてください。

「本当に好きな原作だったので、お話をいただけたことがまず何よりも嬉しかったです。自分が26歳になってこの役ができる年齢になったんだなあということも改めて実感しました。とにかくただただ嬉しくって、この『きいろいゾウ』の世界に参加できることがすごく楽しみでした。」

■向井理さんとは今回が初共演ですね。共演する前と共演された後の印象はいかがですか。

「2回ほどお会いしたことがあったのですが、その時の印象でいうと……話にくい人なのかなと、ちょっと思っていました(笑)。
でも、始まってみたらそのときのイメージとは全然違ったので安心しました。
話しやすい方ですし、すごくいい意味で、普通だったんです(笑)。それがとても安心しましたし、ツマとムコを一緒に作っていくなかで、きちんとふたりの関係性を作り上げることができるなあと思いました」

■最初に原作を読まれたときもそうですが、ツマのどんなところに惹かれたのでしょうか。またツマを演じられるにあたって、どのように役柄に向き合われていますか。

「ツマは、すごく魅力的な人だと思います。自由で、子供みたいなところもあるけれど、なんだか憎めない……本当に自由でいいなと思います。ツマへの思い入れはすごく強いのですが、変にこだわりすぎずにニュートラルな状態で役に向き合えるようにしたいです」

■撮影現場は、小説のなかのことを現実に表現していて素敵ですね。やはり現場に入ることによって気持ちも変化しますか。

「全く変わります。髪型もそうですけれど、最初に監督とお会いしたときに、『前髪をすごく短く切りたいと思っているんです』といいうお話をしたら、監督もそう思っていると言ってくださって。そこでお互いの気持ちが一致していたこともあって、短く切ることにしました。この前髪を切ったときに、『ああ、ツマになれた』と思ったんです。そうやって外見から作っていくっていうのは大事ですよね」

<ムコ(武辜 歩・ムコ アユム)役:向井 理コメント>

■元々、西加奈子さんの原作がお好きだったと伺いました。映画化にあたり、ご出演が決まった時の感想を教えてください。

「何年か前に読んでいた作品でした。自分がムコをやるにあたって、自分の中で想像していたムコ像があったので、それに近づくというか、実写化して世界観を作り出すというのをどこまで原作のイメージに近づけられるのかなというプレッシャーはありました。いろいろなところで好きな作品と言っていたので、お話を頂けて嬉しかったです。」

■宮崎さんとは今回初共演ですね。共演する前と共演された後の印象はいかがですか。

「このままの感じの人なのかなという部分と、絶対何か隠し持ってるなと思っていた部分がありました(笑)。ハートの部分で、外見でイメージするだけじゃない人だろうと思っていたので。それは想像どおりで、筋がある方だなという感じがします。
小説を読んだときもイメージしていたのですが、実際お会いして顔合わせのときに宮崎さんの髪型が前髪パッツンになっているのを見た時に、『ああ、ツマっぽいな』と思いました。現場では、本当にふたりのシーンが多いので、そこでベースをつくっていかないと周りも巻き込んでいけないので、そこをどうしようかなっていうのは多分お互い考えているんですが…でも考えるよりもやってみるのが一番ですね。一緒につくっていけたらいいなと思います」

■最初に原作を読まれたときもそうですが、ムコを演じられるにあたって、どのように役柄に向き合われていますか。

「ツマとムコのなれそめも含めて考えると、ちゃんといろいろなことを受け止めていられる人でいたいなと思っています。小説を初めて読んだときの印象も“器の大きい人”というイメージが強かったので、それを出すためにはどういうふうにしようかなっていうのを考えましたし、ツマに対する接し方でそういうのが出ればいいなと思います。細かい動きとか目線とか間とかで表現しないといけないものなので、それを出すように心がけています」

<原作者:西 加奈子コメント>

■「きいろいゾウ」を書いたのは随分昔のことのように思いますが、今回、宮崎あおいさんと向井理さん、素晴らしいスタッフ、俳優の皆さんが、新しい力を与えてくださることを、本当に嬉しく思います。私の知らない「きいろいゾウ」を見るのが楽しみです。

<廣木隆一監督>
原作で一番惹かれたのは「何も知らない二人が結婚して、一緒に生活して、そしてお互いを見始めるという」部分でしたので、原作の世界観を大きく変えようとは思っていませんでした。
(宮崎)あおいちゃんと向井くんも元々、原作を好きでいてくれたので、原作の世界観に寄り添って芝居をしてくれましたし、ツマとムコとして心情の揺れもリアルに演じてくれました。
演出で気をつけていた部分は「自分のどの映画にも似ないようにしたい」ということと、
「あおいちゃんと向井くんの今まで見たことのない表情や芝居を引き出せたら」と思っていました。二人とも、しっかりと気持ちをつくって芝居に入ってくれたので、演出はすごくやりやすかったです。二人の関西弁も、実に似合っていると思います。二人を見つめ続けていた現場でした。

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執筆者

Yasuhiro Togawa