全世界で読まれ続けている大ベストセラーである「アンネの日記」。ユネスコによって「世界で最も読まれた10冊のうちの1つ」と評価され、「世界記憶遺産」にも認定されている『アンネの日記』はユダヤ人迫害から逃れ、隠れ家で暮らしたドイツ系ユダヤ人少女アンネ・フランクの日記を書籍化したもので、反戦争だけでなく、優れた思春期の記録として世界中の人々に感動を与え、60カ国語以上の言語に翻訳、発行部数は2500万部を超えるといわれています。50年前とはいえ、日記に書かれている内容は、恋愛のこと、将来の夢、うまくいかない家族との関係など。50年前に思春期を生きたアンネは、現在を生きる10代と同じ悩みを抱えていたということが読み取れます。ただ一つ違うのは、彼女が生きた時代には戦争があったということ。そして、彼女がホロコーストの被害者であるということです。映画『アンネの追憶』は「アンネの日記」では描かれることのなかった、彼女の壮絶な最期をドラマチックに描いています。それは、目を背けたくなるような出来事です。しかし、二度と過ちを犯さないために、アンネ・フランクが生きた時代のこと、そして彼女はどうして亡くなってしまったのかを考える機会になるのではないかと思います。
この映画を見れば、アンネ・フランクの生涯をたどることができます。

=最近のアンネ・フランクを巡る動き=
■日本能率協会総合研究所による「今後、伝記や偉人伝などの本で読んでみたい“世界の偉人”は? 」という調査では、アンネ・フランクは「イチロー」「野口英世」「坂本竜馬」「エジソン」と並び、子どもと母親の評価がほぼ同じで、親が「子供に読ませたい」と思い、子どもも「読んでみたい」と思う人物の1人だということが分かった。(Business Media誠2011年1月20日配信)

■毎日新聞による「第57回学校読書調査」の中で、「今まで読んで良かった伝記は?」という男女別アンケートでは、小学生女子(4年〜6年)で5位、中学生女子で3位、高校生女子で3位といずれもトップ5位以内に入り、今だに10代の女子たちに影響を与えている。(毎日新聞2011年10月27日付)

■ドイツ・ベルリンのマダム・タッソーろう人形館で9日、隠れ家で日記を書く笑顔のアンネ・フランクのろう人形が公開された。(AFPBB News2012年3月12日配信)

■2015年に会館予定のドイツ・フランクフルトに「フランク家センター」で、アンネが祖母にあてた手紙を含む、未公開資料が展示されることになった。(時事ドットコム2012年3月3日配信)

■オランダ・アムステルダムの隠れ家の窓からアンネが眺め「アンネの日記」の中でも何度も触れられているマロニエの木から取った苗木がエルサレムのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)記念館に植樹された。アンネの友人でホロコースト生存者のハンナ・ピックさん(『アンネの追憶』原作者)が植樹祭に参加し、「アンネを思い出させてくれるものが残ることは素晴らしい」と語った。(時事通信2012年3月27日配信)

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執筆者

Yasuhiro Togawa