モーニング(講談社)連載中の人気漫画『宇宙兄弟』は、日本人初の兄弟宇宙飛行士を目指すというスケールの大きいストーリー展開と、”宇宙飛行士”という存在を身近に感じさせる、人間味あふれる魅力的なキャラクターたち、そして感動的な兄弟ドラマと夢を追うストーリーで、連載からじわじわと人気を博し、小学館漫画賞と講談社漫画賞を同年ダブル受賞するという史上初の快挙を達成。業界の内外を問わず多数の熱烈な支持を受け、累計700万部のベストセラーとなり、さらに3月23日には新たに17巻が発売され部数を重ねる大人気コミックが、スケール感×ドラマ性×コメディを兼ね備え、小栗旬&岡田将生によって映画化されます。

1年にわたる粘り強い交渉の末、日本映画としては異例のNASAケネディ宇宙センターでの大型ロケを行った本作。ムッタとヒビトの再会シーンや、ムッタがロケット打ち上げを見守るシーンなどをNASA敷地内にて撮影しました。「本物」を求める姿勢はロケーションだけでなく、キャスティングにも及び、なんと本作には、宇宙開発史にその名を刻む2人の宇宙飛行士がそれぞれ本人役で出演しています!

1人目の宇宙飛行士は2005年に日本人として初めてISS(国際宇宙ステーション)で船外活動を行った実績を持つ、野口聡一(撮影時46歳)。回想シーンにて、ブルースーツを着て幼いムッタとヒビトの肩を抱き、彼らが憧れる宇宙飛行士として劇中に登場しています。

そして2人目の宇宙飛行士は、「トイ・ストーリー」の人気キャラクターである“バズ・ライトイヤー”の名前の由来ともなった伝説の宇宙飛行士、バズ・オルドリン(Buzz. Aldrin 撮影時81歳)です。1969年、アポロ11号の乗組員としてニール・アームストロング船長とともに月面を踏んだ彼は、かの有名な足跡を残し、星条旗を立てた張本人。アメリカではその名を知らない人はいないほどの国民的ヒーローが、映画「宇宙兄弟」に出演。ヒビトの打ち上げを複雑な気持ちで見つめるムッタに、宇宙にかける人間たちの夢と想いを語る重要な役どころを演じています。「あのでかいロケットを打ち上げる動力は“人間の魂”だ」。原作の骨子を補完しているとも言えるその台詞を、「本当に月に立った男に言わせたい!」という熱い想いから、映画スタッフは無謀ともいえるオファーをかけました。バズ・オルドリンは脚本を読んだうえで出演を快諾。撮影当日、現場に現れたバズは宇宙飛行士とは思えない見事な演技を見せ、森義隆監督も「俳優には出せないリアリティと言葉の説得力がある」と大感動。本当に月を歩いた男による「宇宙への夢の話」を、是非本編でお確かめください!

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執筆者

Yasuhiro Togawa