4/14(土)より公開になる大宮浩一監督最新作『季節、めぐり それぞれの居場所』。公開に先駆け、「春の夜のケア・ゼミナール」と題した全7プログラムの連続講座を開催します。「介護」や「ケア」と呼ばれるいとなみを記録したドキュメンタリー映画、震災後の世界を生き抜くヒントとなる映画などを古今の作品を一挙公開。上映後にはさまざまな分野・領域のキーパーソンたちを講師に招き、私たちの社会について、そして「生きる」ということをもっと自由に考える「場」を参加者のみなさんとともにつくることができたらと願っております。

大宮浩一監督『季節、めぐり それぞれの居場所』公開記念
「公開講座 春の夜の(ちょっとアナーキーな)ケア・ゼミナール」開催
4月7日(土)−4月13日(金)連日19:00より  開催会場:ポレポレ東中野
主催:ケア・フィルムフェスティバル準備室 共催:ポレポレ東中野、東風

キーパーソンと映画を観る。僕らの「社会」をもっと自由に考える。

【公開講座 春の夜の(ちょっとアナーキーな)ケア・ゼミナール】
【初夜 4/7(土)】 『季節、めぐり それぞれの居場所』 ★特別先行上映企画・製作・監督:大宮浩一|製作・著作:大宮映像製作所|2012年|82分
作品概要 大きな感動を呼んだ前作から2年、大宮監督が再び「介護」や「ケア」の現場を見つめる。震災後の宮古や石巻なども取材。人と深く関わる喜び、人生の最期の瞬間に立ち会う若いスタッフたちの葛藤、家族の想い…。私たちが今まさに生きている季節を彩りゆたかに映し出す。
×講演:三好春樹さん(生活リハビリ研究所 代表)

【第2夜 4/8(日)】 『ただいま それぞれの居場所』企画・製作・監督:大宮浩一|製作・著作:大宮映像製作所|2010年|96分
作品概要 介護保険制度導入から10年、自らの理想の介護を実現するため施設・事業所を立ち上げた若者たちを描き、文化庁映画賞文化記録映画大賞を受賞。制度とシステム、医療と介護、家族と社会。その挟間をさまよい続け、ようやく見つけたそれぞれの居場所を見つめる。
×講演:安西順子さん(宅老所・デイサービス「ひぐらしのいえ」代表)

【第3夜 4/9(月)】 『普通に生きる』撮影・制作プロデュース・監督:貞末麻哉子 ナレーター:長谷川初範 製作・著作:マザーバード|2012年|83分
作品概要 「どんなに重い障がいがあっても、本人もその家族も普通に生きてゆける社会をめざす」という理念のもと、親たちの努力でゼロから立ち上げられた通所施設「でら〜と」。「福祉の受け手から担い手となる」という発想が地域を動かし未来を切り拓いた4年間の軌跡追う。
×講演:小林不二也さん(生活介護事業所「でら〜と」「らぽ〜と」所長)

【第4夜 4/10(火)】『あいラブ優ちゃん』 ディレクター:木村栄文|製作・著作:RKB毎日放送|1974年|48分 作品概要 RKB毎日放送のテレビディレクター木村栄文が、先天的な障がいを持つ自身の長女・優ちゃんにカメラをむける。ナレーションも木村自ら担当。愛娘への想いとともに木村が生きた世界の豊かさをも結晶させた伝説的なエーブン流セルフドキュメンタリー。
『さようならCP』★16mmプリント上映監督・撮影:原一男|製作:小林佐智子|製作・著作:疾走プロダクション|1972年|84分
作品概要 CP(脳性麻痺)者の急進的な団体「青い芝」の人々の生活と思想をカメラに収めた、原一男監督の第一作。障がい者だからといって自ら片隅でこっそりする生き方は、障がい者差別を容認することになると考え、その不自由な体を積極的に人前にさらしていく。
×講演:萩野亮さん(映画批評家 ドキュメンタリーカルチャーマガジン『neoneo』編集主幹)

【第5夜 4/11(水)】 『無常素描』
企画・製作・監督:大宮浩一|製作・著作:大宮映像製作所|2011年|75分
作品概要 震災後、最も速く劇場公開されたドキュメンタリー映画。大地震の爪痕、その後もなお続くいとなみを「情報」に還元することなくスクリーンに大きく映しだしていく。玄侑宗久氏の語る言葉や読経に誘われるように様々な問いが浮かんでは消えていく。はじまりのスケッチ。
×ゲスト:西山雄二さん(国際哲学コレージュ プログラム・ディレクター 『哲学への権利』著者)
×ゲスト:三浦哲哉さん(映画批評家 Image.Fukushima代表)

【第6夜 4/12(木)】 『9月11日』(監督:大宮浩一/2010)
企画・監督:大宮浩一|製作・著作:Love,Peace&Care Connection|2010年|78分
作品概要 若者たちが立ち上げた7つの施設・事業所の日常と彼らが2010年9月11日に主催・出演した「Love&Peace&Care 2010 inヒロシマ〜介護バカの集い〜」を記録したライヴドキュメント。老いや死と向き合い続ける若者たちが紡ぐ言葉が新しい価値観の創造を予感させる。
×講演:大野更紗さん(作家 『困ってる人』著者)
×講演:開沼博さん(社会学者 『「フクシマ論」 原子力ムラはなぜ生まれたのか』著者)

【最終夜 4/13(金)】『ジャンクフード JUNK FOOD』★35mmプリント×『MAKING OF JUNK FOOD』
監督・脚本:山本政志|エグゼクティブプロデューサー:大宮浩一、坂口一直、石毛栄典|1998年|85分/メイキング27分|出演:鬼丸、義幸、飯島みゆき、古田新太ほか|製作・著作:JUNK FOOD CONNECTION|
作品概要チーマー、ドラッグ中毒のOL…。港町・横浜を舞台に常識の枠からはみ出した人間たちの一日を活写したストリート・ムービー。90年代の都市で危うげに生き急ぐ若者たちの姿と、プロローグとエピローグに挿入された盲目の老女の物語との対比が観る者に生々しく迫る。
×講演:山本政志さん(映画監督 『闇のカーニバル』『スリー・ポイント』)
×講演:大槻貴宏さん(ポレポレ東中野 支配人)

●開催期間:4月7(土) – 4月13日(金) 連日19:00より  
●会場:ポレポレ東中野
●主催:ケア・フィルムフェスティバル準備室 
●共催:ポレポレ東中野、東風
●HP:http://www.kisetsumeguri.com/

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執筆者

Yasuhiro Togawa