第10回アジア映画祭ーレッジョ・エミリア(2012年3月16日- 3月24日/イタリア/http://www.asianfilmfestival.it/)で、塚本晋也監督7作品が回顧上映されることが決定、また同映画祭は塚本晋也に功労賞を授与することも発表しています。

■レッジョ・エミリアアジア映画祭■
これまでローマで開催していたアジア映画祭は、第9回目となる前回より、イタリア北部のレッジョ・エミリアに開催地を変更。パルチザンを輩出し、この地方独自の幼児教育が有名な土地で、文化活動に深い理解を示す非営利団体ロベール·ブレッソン・シネ・フォーラムが運営する映画祭。2011年は6/11から6/18だったが、本年は時期を早めて3/16から3/24まで開催される。
同映画祭は、第1回目から、回顧上映によってアジアの映画作家を紹介するなど、映画祭を通して映画ファンを育成し、映画の未来を創造しようとつとめてきた映画祭。また、ローマから開催地を移した昨年、レッジョ・エミリアとアジアの架け橋をめざす映画祭として、大きな貢献を果たした映画人に対する功労賞を新設し、いま注目を集める映画祭である。

■塚本晋也監督、功労賞受賞■
第10回にあたる同映画祭記念の年の功労賞は、塚本晋也に授与されることが映画祭公式サイトで発表されている。
>>同映画祭ディレクター、アントニオ・テルミニーニ氏は、功労賞授与に対するステートメント
「独自のテーマとスタイルをもって、日本映画の伝統にユニークな貢献をしたこと、欧米系の監督たちに多大な影響を与えており、世界的にみても重要な監督のひとりである。」��

■栄誉ある回顧上映は塚本7作品■
本映画祭伝統の、栄誉ある回顧上映は塚本7作品。『KOTOKO』(2011)ー16日上映、『鉄男』(1989)、『鉄男ⅡBODY HAMMER』(1992)、『鉄男THE BULLET MAN』(2010)、『VITAL』()ー4作品17日上映、『東京フィスト』()、『BULLET BALLET』()ー2作品18日上映の合計7作品。
塚本晋也監督回顧上映は世界各国で行われているが、イタリアでの回顧上映は、『六月の蛇』がベネチア国際映画祭で審査員特別大賞を受賞した2003年に、ローマ日本文化会館開館40周年記念イベント『特集上映会『秋<古典>黒澤明と春<現代>塚本晋也』』として3ヶ月かけて5大都市を巡回上映。
これまで回顧上映をした映画作家たちは、-2003 Wang �Xiao Xiai ワン・シャオシュアイ、- 2004 Tsai Ming Liang�ツァイ・ミンリャン(台湾)、- 2005 Hou Hsiao-hsien�ホウ・シャオシェン(台湾)、- 2006 Chen Kaige�チェン・カイコー(中国)、- 2007 Ann Hui�アン・ホイ(香港)、- 2008 Brillante Mendoza�ブリランテ・メンドーサ(フィリピン)、- 2009 Jia Zhang-ke�ジャ・ジャンクー(中国)、- 2010 Stanley Kwan�スタンリー・クァン(香港)、- 2011 Peter Chan�ピーター・チャン(香港)。そして2012 Shinya Tsukamoto
�塚本晋也(日本)�■最新作『KOTOKO』、オープング上映■
塚本晋也は、同映画祭初日夜(現地時間16日18時より)、Plazzo Magnani Foundationのホールで行われる授与式及び『KOTOKO』のオープニング上映、次の2日間で行われる回顧上映に立ち会うために渡伊を決めている。

■塚本晋也の回顧上映、功労賞受賞とも、日本人初の快挙となった■

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執筆者

Yasuhiro Togawa