このたび、世界的な歴史小説の名作「第九軍団のワシ」(岩波少年文庫刊)を原作に、イギリス映画界を代表する実力派スタッフらが映画化を実現した歴史ミステリー大作『第九軍団のワシ』が3/24(土)より渋谷ユーロスペースほか、全国順次公開となります。

公開に向けて、日本文学界を代表する各人より本作に寄せるコメントが届いております。

■綾辻行人(ミステリー作家)
歴史小説の名作を原作としつつも、この映画は僕たちの目に、あたかも異世界ファンタジーのように映る。遠い国・遠い時代の物語ゆえ、というだけではない。全編に上質な幻想味が溢れているからだ。
なんとも不思議な味わいである。

■荒俣宏(作家)
これはヨーロッパの「万里の長城」攻防戦だ。文明化以前の古代イギリスがこんなにワイルドで寒々しい秘境だったとは!ローマ軍が感じた恐怖がズシンと伝わってきた。

■佐藤賢一(作家)

厳然たる史実がある。確固たる原作がある。これに映画は、学者ばりの歴史考証、大自然と格闘するかの現地ロケ、CGなし、まさに肉体労働という戦闘シーンで「挑戦」した。
蘇るのは、男たちが名誉のために死ねた時代の真実だ。見事だ。

■椎名誠(作家)

格調高い描写。スケールが大きく美しすぎる謎。
どんどんのめり込んでいくうちに揺さぶられるような感動に包まれていた。

■高橋克彦(ミステリー作家)

今年の映画はこの作品を超えられるか否かで判断することにした。
豊潤な魂の詩と心躍らせる冒険。この融合に正直嫉妬した。

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執筆者

Yasuhiro Togawa