連日、国内のメディアを騒がせている普天間基地移設問題。だが世界に目をやれば、基地問題は日本だけの問題ではない。
現在、世界の約40カ国に700箇所以上の米軍基地が存在する。なぜ、戦後60年以上過ぎても基地をなくすことができないのか?
本作は2007年にイタリアで起こった基地拡大への反対運動をきっかけに、イタリアの若手監督2人がその謎を探る旅に出て制作したドキュメンタリー。
主な取材地はビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、普天間(沖縄)。基地の騒音や兵士が起こす事故に苦しむ住民と専門家への取材を通じ、あまりに横暴な米軍と膨らみ続ける軍産複合体の真実を暴いていく。一国の存在意義を揺るがす重要課題でありながら、国民全員がその実態を把握しているとは言い難い沖縄基地問題。
本作はその入門編としても最適でありすべての日本人が必見の内容です。
環境アセスを巡る、沖縄県の意見書提出や政府の動向に注目が集まるこの時期に、改めて基地問題を考えるきっかけにしたいと思います。

≪2012/4/5〜4/8 エンリコ・パレンティ、トーマス・ファツィ監督来日!! ≫
監督メッセージ
親愛なる日本のみなさんへ
この作品の企画を立てた当初、日本で取材することは考えてもいませんでした。
それが出来上がった作品では、沖縄の撮影部分こそが最も重要なパートとなっていました。
それは私たちが沖縄で目にしたことが、政治的、社会的、そして精神的になによりも衝撃的だったからです。しかし、それ以上に、沖縄で出会った方々に強く刺激を受けたからでもありました。
彼らの中には、不平等な力関係に直面しながらも、決して希望を捨てない人々がいます。
その姿は、日本人の精神性の高さと心の強さを見せてくれました。彼らの姿に続こうと、
日本の、そして世界の人々がこの映画によって勇気づけられることを願っています。
希望と敬意を込めて。

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執筆者

Yasuhiro Togawa