先頃開催されたロンドン映画祭にて見事グランプリ(Best Film賞)を受賞したリン・ラムジー監督最新作、ティルダ・スィントン主演、新星エズラ・ミラー共演の「We Need To Talk About Kevin」(原題)の邦題が『少年は残酷な弓を射る』に決定いたしました。作家としてのキャリアを捨てて息子ケヴィンを生んだエヴァ。しかしケヴィンは物ごころがついた何故か頃からエヴァに対して反抗をはじめ、やがて成長するうちにその態度をさらに硬化させていく──。異常なまでの悪意と執着心を持つ息子と彼に戸惑う母親が行き着く、深淵な親子の関係を緊張感たっぷりに描き、カンヌ国際映画祭で世界に衝撃を走らせた本作。ロンドン映画祭ではマスコミ、観客満場一致の絶賛を浴びてグランプリに輝きました。

 主演は、実力派女優として多くのヒット作に出演、本作では製作総指揮にも名を連ねるほどの入れ込みを見せているティルダ・スウィントン(『フィクサー』でアカデミー賞助演女優賞受賞)。息子との関係性に戸惑う母エヴァを演じてすでに来年度アカデミー賞主演女優賞の筆頭候補に挙げられています。息子ケヴィンに抜擢されたのは、魅惑的なまなざしが観る者の心を揺さぶらずにはいられない新星エズラ・ミラー。15歳の少年の純粋さと邪気を圧倒的な存在感で表現し、早くもハリウッドから熱い視線を浴びています。日本での待望の公開は2012年6月に決定。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=49423

執筆者

Yasuhiro Togawa