本作は、芸人、役者として活躍する長原成樹が多方面から高い評価を受けた自伝小説を自ら監督し、映画化。昭和のディープな大阪・生野を舞台に札付きのワルから笑いの世界に飛び込んだ男の優しくも、痛々しい、リアルな物語です。

大阪のどうしようもない不良が、漫才師になった。
笑って泣ける本当の物語。

大阪の生野区で、毎日コロッケとキムチしか出さないおとうちゃんの子供として生まれたセイキ。
どうしようもない不良だったセイキは、相棒のタツヤ、ガリ勉のトシ、いつも殴り合う悪友でライバルのヤマトらと、ケンカや窃盗に明け暮れ、ついには少年院に入れられてしまう。

少年院から出て来たセイキは友人達から<オフィスレディ>のミチコを紹介された。セイキは「見た目」にも「少年院」にも引かないミチコの美しさに、真面目に生きる事を誓うようになり、相も変わらず勝負を挑んで来たヤマトを殴り返すことはなかった。

「あの頃ダサいと思うてた大人に、俺はなるんや!」

芸人の道を志していたタツヤの強引な誘いで『笑い』の舞台に立ち、<人を笑わせる>喜びを覚えたセイキは、いつしか本気で芸人を目指していく。
セイキを変えたのは少年院ではなく、近所のおっちゃん、おばちゃん、友人や先輩、誇りを持ったおとうちゃんだった。しかし、芸人を目指して必死に生きるセイキに、ミチコはある秘密を隠していた・・・。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=49522

執筆者

Yasuhiro Togawa