静岡県富士市にある 生活介護事業所でら〜とは、『どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きてゆける社会をめざす』という理念のもと、親たちの努力で、ゼロから立ち上げた重症心身障害児者のための通所施設です。
重症児の多くは、嚥下障害、呼吸障害等のため、日常的な介護として経管栄養、痰の吸引、酸素吸入等の医療的ケアを必要としています。そのため、でら〜とには生活支援員の他に看護師も常勤し、毎日、それぞれの障害や個性に合わせたプログラムで日中活動を支援しています。利用者は多くの人や地域との関わりの中で、社会性を身につけ、誰からも介護を受けられるように成長してゆきます。そして親たちも、法制度の改革の波に揉まれつつも行政に働きかけ、自分たちのニーズにあった制度や施設づくりを行い続けてきました。いずれは親も子もそれぞれの人生を明るく送れる地域社会づくりを目指して、『福祉の受け手から担い手となる』発想が、親たちの新しい未来を切り拓いてきました。映画は、2つ目の施設建設計画が持ち上がった頃からの5年間を追います。

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執筆者

Yasuhiro Togawa