この度、10月15日全国公開の映画『一命』が、9月29日〜10月2日にサンフランシスコのパロアルトで開催されるPalo Alto International Film Festival(パロアルト国際映画祭)にて、日本の高い3D技術力が評価され、PAIFF&Dolby3D賞を受賞する運びとなりました。

3D技術を称える賞の第1回受賞作として選ばれた、日本映画初の全編3D時代劇映画『一命』。武家社会に立ち向かう1人の侍の生き様と葛藤、美しい日本風景、そして荘厳なセットを生かした繊細な3D映像が本場の技術者達に認められ、クオリティーの高い日本映画の技術を世界にアピールする結果となりました。

■三池崇史監督 受賞コメント

日本映画にこのような栄誉を与えていただいたことに心より感謝します。
3Dによって2Dの何かが失われてしまうのかの挑戦でした。
その結果はこの受賞が示す通り、得るものはあっても失われるものは何もないということでしょう。
映画の未来に乾杯です。

■Palo Alto International Film Festival(パロアルト国際映画祭)について

Palo Alto Instituteという2005年に設立したシンクタンクが映画祭を運営し、今年が第1回目を迎えます。パロアルトはサンフランシスコのベイエリアにあるとして、Palo Alto研究所(かつてのゼロックス研究所)やヒューレットパッカード、Facebookなどのハイテク企業や研究所の拠点となる町で、この映画祭も技術的な観点からEEの映画人の交流を目的としています。

第1回目の本年度は、『一命』のほかに、John Knoll(『スタートレック』『ミッション・インポッシブル』『スター・ウォーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを手掛けたVFXスーパーバイザー)が”Muybridge Award for the Advancement of Art and Technology” 受賞、カメラの発展に貢献したとしてSLAC National Accelerator Lab(SLAC国立加速器研究所)が”Innovation in Film Award” の受賞が決定しています。

【授賞式日程】
10月2日19時〜(日本時間 10月3日12時〜)

【PAIFF & Dolby 3D賞について】
正式名は”The PAIFF and Dolby Excellence in 3D Award”。
パロアルト国際映画祭とドルビー社が共同で主催する賞で、ドルビー社がスポンサーとなり、技術的かつ芸術的な偉業を納めた立体映画(3D映画)に贈られる賞として設立されました。

この賞の目的は、映画製作者に、立体映画(3D映画)制作の可能性を見出し、今後の映像世界に希望を与える目的で贈られるもの。ストーリーの深さから技術的な精密さと作品の出来を考慮し、全ての3D映画作品が検討候補となります。受賞作は、パロアルト映画祭の役員やプログラマーが2011年の国際映画祭(ベルリン、カンヌ、サンダンストライベッカ)などに参加して試写した作品の中から選ばれます。

■世界各国での映画祭『一命』参加情報(9.30付)
カンヌに続き、“バンクーバー国際映画祭”、
“シッチェス・カタロニア映画祭”(コンペティション)、
釜山国際映画祭”、“ワルシャワ国際映画祭”他、
世界各国での映画祭出品が次々と決定、世界中で期待が高まっています。

●Vancouver International Film Festival(バンクーバー国際映画祭)
※カナダ

●Sitges Film Festival(シッチェス・カタロニア国際映画祭)
※スペイン

●16th Busan International Film Festival(釜山国際映画祭)
※韓国

●27th Warsaw Film Festival(ワルシャワ映画祭)
※ポーランド

●40th Montreal NOUVEAU CINEMA festival(モントリオール・ヌーヴォ映画
祭)
※カナダ

●Ghent FF / Belgium(ゲント映画祭)
※ベルギー

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執筆者

Yasuhiro Togawa