イタリア、ヴェネチアで開催された第68 回ヴェネチア国際映画祭(現地時間8 月31 日?9 月10 日)の受賞式が現地時間9 月10 日19:00-(日本時間11 日2:00-)に行われ、コンペティション部門に出品された『ヒミズ』(園子温監督、2012 年春公開)が、主人公・住田祐一を演じた染谷将太と、ヒロイン・茶沢景子を演じた二階堂ふみが、【最優秀新人俳優賞】にあたる「マルチェロ・マストロヤンニ賞」を受賞し、《日本人初》となる快挙となりました。

【園子温監督 コメント】
二人の役者受賞に関しては、二人の努力が実った結果だと思うので、二人に感謝したい。そして、原作者の古谷実先生が一生懸命作っていただいた物語がないと、この映画はないので、古谷さんの漫画にも感謝してます。

【審査委員長のダーレン・アロノフスキーのコメント】
将太とふみは情熱と感情ではちきれんばかりで、作品の社会性も含めて、本当にパワフルな映画だったし、その演技もピュアな思春期がスクリーンで爆発しているようだった。園監督の作品で、見たことないスタイルだ。

第68 回ヴェネチア国際映画祭 授賞式/記者会見
◇授賞式参加者:園子温(監督/脚本)
◇ヴェネチア現地時間9月10 日19:00〜20:00 (日本時間9月11 日(日)2:00〜3:00)
◇受賞者:染谷将太(19)/住田祐一役、二階堂ふみ(16)/茶沢景子役
◇対象賞:コンペティション部門/最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)
※1998 年に設立された新人俳優に与えられる賞で、メインコンペ出品作品の俳優が対象となる。
日本人として<初>の受賞となるW 受賞は過去に2 回。2001 年の『天国の口、終わりの楽園』ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナなど。

Q:最初に呼び出しがかかった時、詳しくはお聞きになってなかったのですか?
A:何かいただいたんだろうなとは思いました。

Q:新人賞と聞いてどうでしたか?
A:すごく役者を大事にして作ってるつもりですので、こういう賞をいただけてうれしいです。

Q:審査委員長のダーレン・アロノフスキーが、前に監督がおっしゃってたように二人の将来をつむいでいくという風におしゃっていて、同じ日本人としてうれしかったんですが、監督自身もそれは伝わっていると感じましたか?
A:日本の子供たちの未来を切り開くための映画として作ったので、彼らが評価されるのは嬉しいです。

Q:海外からの取材も多く受けられたと思うんですけど、印象的な質問とかあったら教えてください。
A:そうですね。震災以降のことは日本人にどんな影響を与えたのかという質問は多かったですけど、この映画っていうのは、震災は確かにあれですけど、あんまり強調しなくても、ひとつの子供たちの物語として、青春映画として成立できるものなので、これからはそっち側を自分なりに伝えていきたいなと思います。

Q:監督のインタビューを聞いた海外のジャーナリストが素晴らしい監督だと言っていましたが、海外のリアクションとかを聞いて、徐々に海外で評価されていると思いますか?
A:そうですね。まだまだだと思いますけど、着実にステップアップしてると思います。でも、スタートを切ったとこなんで、これからだと思います

Q:さらに上の賞を狙いたいという気持ちは?
A:それはもちろん思ってます。それはその時その時のタイミングがありますから、いつそういうのが来るかわかりませんけど、ま、これからもどんどん海外に作品をもっていきたいですし、海外で作品を作ることも考えてます。やっぱりそれは、映画祭でもっと大きい賞をとるという目標はあります。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=49287

執筆者

Yasuhiro Togawa