特別上映企画【ヴィスコンティと美しき男たち】も9/24(土)〜9/30(金)に開催!
上映作品:アラン・ドロン主演「若者のすべて」、ヘルムート・バーガー主演「ルードヴィヒ」

日本で一番待ち望まれていたヴィスコンティ作品がいよいよ公開!
映画史に燦然と輝く総合芸術の頂点が、今再び私たちの前にその姿を現す。

巨匠ルキーノ・ヴィスコンティの名作の中でも、『山猫』(63)と並んで屈指の完成度を誇る傑作『ベニスに死す』(71)。
この作品は、日本では遅れていたヴィスコンティの評価を不動のものとしただけでなく、最も愛されるヴィスコンティ作品となりました。そして製作40周年を迎える今年、待ち望まれていたニュープリント版での上映が決定。恐らく映画史上最も甘美で残酷な瞬間と言える圧巻のラストシーンや、見事な音楽と映像の融合を思う存分堪能する絶好の機会です。

 原作はノーベル文学賞に輝くドイツの文豪トーマス・マン(1875〜1955)の同名小説。主人公のモデルは、ロマン派の大作曲家グスタフ・マーラー(1860〜1911)。主題曲に使用されたその「交響曲第5番アダージェット」の旋律は、この映画のために創られたのではないかと思えるほど見事な効果を生み出しました。これによってマーラーの評価は一変し、苦悩と恍惚の旋律は永遠の命を得たのです。見事にアシェンバッハを演じたのは名優ダーク・ボガード。そのアシェンバッハを虜にするタジオには、当時15歳のビョルン・アンドレセン。原作の「ギリシャ芸術最盛期の彫刻作品を思わせる」金髪碧眼の少年を求め、ヴィスコンティ自らヨーロッパ中を旅して発見したスウェーデン人の新人だ。その完璧なまでの美しさは、今も伝説として語り継がれています。

10月1日、銀座テアトルシネマにて陶酔のロードショー!

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執筆者

Yasuhiro Togawa