1992 年より毎年、劇場公開される機会の少ないセクシュアリティやジェンダーをテーマにした映画を紹介してきた東京国際レズビアン&ゲイ映画祭。回を重ねるごとに同種の映画祭の中では観客動員数においてアジア最大規模を誇るまでに成長し、現在ではセクシュアル・マイノリティたち自身が楽しむための「お祭り」であると同時に、異性愛者たちがセクシュアル・マイノリティの豊かな文化に気軽に触れることのできる「カルチャーイベント」として定着してきました。上映作品のクオリティも向上し、第20 回を迎える今年は、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭、サンダンス映画祭など、海外の映画祭で話題を呼んだ作品が勢ぞろい! この記念すべき年、自由で開放的な雰囲気の中であなたも映画を楽しんでみませんか?

第20 回 東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 開催概要
期間 2011 年10 月7 日(金)〜10 月10 日(月・祝) 全4 日間
(※今年は夏の電力事情などを考慮した結果、開催時期を例年の7 月から10 月に変更いたしました)
会場 スパイラルホール
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
MAP http://www.spiral.co.jp/a_map/

■海外ボーイズプログラム (全4作品)【W】=ワールドプレミア 【A】=アジアプレミア 【J】=ジャパンプレミア

『ロミオ』 Romeos ★オープニング作品★ 【A】
(監督:サビーネ・ベルナルディ/ドイツ/2011年/94分) [後援]東京ドイツ文化センター
10月7日(金) 20:00〜 ※オープニングイベントに続いて上映
10月9日(日) 11:30〜
大都会に憧れて田舎から出てきたルーカス。しかし手配されていた部屋は、なんと女子のナース寮! ノンケ男子なら夢のような毎日も、ルーカスにとっては苦痛とストレスの連続。ある日、ルーカスはセクシーでイケメンのファビオと出会い、恋心を抱く。しかしルーカスには、ある“秘密”があるのだ。それは、ルーカスがFTMトランスセクシュアルだということ。果たしてファビオは、ルーカスの本当の姿を受け入れてくれるのか…。

『カブーン!』 Kaboom ★クロージング作品★ 【J】
(監督:グレッグ・アラキ/アメリカ、フランス/2010年/86分)
10月10日(月・祝) 19:20〜 ※クロージングイベントに続いて上映
ごく普通の大学生スミスは、繰り返し見る奇妙な夢に悩まされていた。その夢に出てきた見知らぬ女性と現実に出会ったことから、彼の生活は激変する。女性は動物のマスクを被った集団に誘拐され、スミスまでもが狙われるはめに…。この集団は何者なのか? そして夢は何を意味するのか? 親友のステラやセックスフレンドのロンドンと共に謎の解明に乗り出した彼は、自らの出生にまつわる驚愕の事実を知ることになる。

『LA に恋して』 Going Down in LA-LA Land 【A】
(監督:キャスパー・アンドレアス/アメリカ/2011年/107分)
10月8日(土) 13:25〜 / 10月9日(日) 20:20〜
※両日とも上映終了後、主演俳優によるQ&Aを予定
映画スターを目指してLAにやって来た、若くハンサムなアダム。親友キャンディの世話になりながらオーディションを受け続けるも、なかなか彼にチャンスは巡って来ない。退屈なバイト生活に嫌気がさしたアダムは、お金の誘惑に負けてゲイポルノの世界へ足を踏み入れてしまう。そんな時、彼は有名スターと出会い、瞬く間に恋に落ちるが…。『ハッテン☆サマー』のキャスパー・アンドレアス監督が描く、映画業界の夢と現実!

『ボクらのはっちゃけウィークエンド – Eating Out シリーズ』 【A】
Eating Out: The Open Weekend
(監督:Q・アラン・ブロッカ/アメリカ/2011年/90分)
10月8日(土) 20:25〜 / 10月10日(月・祝) 16:25〜
※両日とも上映終了後、監督と主演俳優によるQ&Aを予定
ゲイリゾートに招待されたザックとベンジーのカップル。このチャンスを目いっぱい楽しみたいベンジーは、リゾートにいる間だけは2人の関係を“オープン”にしようとザックに驚きの提案をする。ザックは渋々ながらも同意するが、滞在先のホテルでイケメンとアツアツの元彼ケイシーに遭遇してしまい…。大人気コメディ『Eating Out』シリーズの最新作を最速プレミア上映。恋の炎がメラメラの痛快ドタバタコメディをお楽しみあれ!

■海外ガールズプログラム (全3作品)

『ブルーミントンの恋』 Bloomington 【A】
(監督:フェルナンダ・カルドーゾ/アメリカ/2010年/83分)
10月8日(土) 11:30〜 / 10月9日(日) 18:20〜
ジャッキーは人気テレビドラマに出演していた元子役女優。新しい人生と親からの自立を求めて中西部の大学に進学したジャッキーは、“女殺し”との異名をとる教師キャサリンに夢中になる。2人の恋は燃え上がるが、やがてジャッキーのもとに映画出演のチャンスが舞い込んでくる。ジャッキーは苦悩の末にオーディションを受ける決意をするが、一方のキャサリンはジャッキーとの関係が明るみになり、解雇の危機に追い込まれてしまう。

『トムボーイ』 Tomboy
(監督:セリーヌ・シアマ/フランス/2011年/82分)
[協力]東京国際女性映画祭、ユニフランス・フィルム [後援]フランス大使館
10月8日(土) 16:25〜
10歳のロールはボーイッシュなおてんば娘。家族と田舎に引っ越してきたロールはミカエルと名乗り、あの手この手で近所の子供たちに自分を男の子だと思い込ませる。同年代のリザはロールに好意を抱き始めるが、ロールはリザの気持ちをどう受け止めるべきか葛藤する。さらに男の子のように振る舞うロールの態度は家族との間にも波紋を巻き起こし…。夏の美しい田園風景の中で展開される成長物語。子供たちの瑞々しい演技は必見!

『ミス・アンの秘密の日記』 The Secret Diaries Of Miss Anne Lister 【J】
(監督:ジェイムス・ケント/イギリス/2010年/90分) [後援]ブリティッシュ・カウンシル
10月10日(月・祝) 14:15〜
19世紀のイギリス・ヨークシャーに実在したアン・リスターの半生を描いた映画。伯父夫婦と暮らすアンは恋人のマリアーナと密会を重ねていた。マリアーナが富豪の老人チャールズと政略結婚をした後も2人は隠れて関係を続けるが、アンは次第に保守的なマリアーナに失望していく。やがて伯父の遺産で事業を始めたアンは、ビジネスパートナーの女性と親しくなるが、アンに求婚を断られた商売敵のクリストファーがアンの伯母に密告し…。

■日本プログラム (全1作品)

『Coming Out Story』 Coming Out Story 【W】
(監督:梅沢圭/日本/2011年/60分)
10月9日(日) 13:40〜 ※上映終了後、監督によるQ&Aを予定
京都の公立高校で数学教師をする土肥いつきは、10年以上待ちわびたSRS(性別適合手術)へと向かう。生まれながらの性別を越境して生きるトランスジェンダーとして自己を特別視することなく、ひとつひとつ「女性の身体を獲得する夢」を実現してきたいつき。繰り返される出会いと生徒や友人との関係を通して、様々な自己の根源への問いが浮かび上がってくる。そして、いつしか撮影スタッフもそれらの問いの渦中へと引き込まれて…。

■海外ドキュメンタリープログラム (全2作品)

『シェリー・ライト – カントリーシンガーの告白』 Wish Me Away 【A】
(監督:ボビー・バーレッフィ、ベヴァリー・コップ/アメリカ/2011年/93分)
10月8日(土) 18:20〜 / 10月10日(月・祝) 12:05〜
2010年5月にPeople誌でアメリカ人カントリー歌手として初めて同性愛者であることを告白し、時の人となったシェリー・ライト。彼女が暮らすのは保守的なテネシー州ナッシュビル。同性愛への偏見が根強く残るこの土地で、なぜシェリーはカミングアウトを決意したのか? そして彼女のカミングアウトに対する地元の人々とLGBTコミュニティの反応は? シェリーの奮闘を彼女自身が撮影したプライベートビデオと共に追いかける。

『あの頃、僕らは – いま語られるエイズの記憶』 We Were Here 【J】
(監督:デヴィッド・ワイスマン/アメリカ/2011年/90分) [協力]非営利団体akta
10月9日(日) 15:45〜 ※上映終了後、ゲストによるトークイベントを予定
30年前のサンフランシスコで、ゲイ男性の間に奇妙な病気が拡がり始めた。原因も、感染ルートも、治療法も不明。この病気にかかった者は確実に死に向かっていく…。当時をよく知る住民の貴重な証言と記録映像を交えながら、エイズの到来がコミュニティに与えた衝撃を深く掘り下げる、迫真のドキュメンタリー。ベルリン国際映画祭やサンダンス映画祭でも高く評価された本作は、観る者の心を強く揺さぶる。

■イベント

映画祭公式パーティー『Le Grand Bal』
10 月9 日(日) 21:00〜 Cay(スパイラルB1F)にて開催
映画の後はパーティータイム! お楽しみはまだまだ続きます!
映画祭公式パーティー『Le Grand Bal』では、ゴージャスなパフォーマーたちをお迎えして、20周年特別企画「ベストクィアムービー総選挙」(8月31日まで公式サイト上にて実施中)の結果発表を行います! 果たしてトップ10入りする作品は? みんなで一緒に飲んで踊って、映画祭の20歳のお誕生日を祝いましょう!

そのほか会場では恒例のグッズ販売、バースペースなど、映画以外にも楽しめるポイントがたくさん!
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執筆者

Yasuhiro TogawaYasuhiro Togawa