原作は第56回小学館漫画賞受賞 400万部突破の人気コミック

原作は、小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中で現在単行本400万部突破の人気コミック。今まで誰もが躊躇して手を付けなかった闇金の世界を圧倒的なリアリティで描き、小学館漫画賞受賞。10日で5割という、金融の最前線にして最底辺の「闇金」という非合法の世界を舞台に、「後がない」債務者たちを次々と追い詰めていく様を残酷なまでに克明に描く。

映画「闇金ウシジマくん」は、金のために人間が人間を喰う血も涙もない弱肉強食エンタテイメント

いまや巷にあふれてしまった借金転落の債務者たち。彼らをリアルに描き、一見救いがないように見えるストーリーに「混乱の現代社会で強く生きろ」というメッセージが込められた「闇金ウシジマくん」。お笑いと化した政治、国の借金900兆、年間自殺者3万人。そんな時代だからこそ、必要とされているのは掛け値なしの本音のドラマ。ウシジマは、爽やかでカッコいい無敵のヒーローではなく、弱肉強食の腐った社会の底辺で、淡々と力強く生き抜く魅力的なヒール。主人公丑嶋は10日で5割という違法な金利で金を貸し付ける闇金業者。「後がない」債務者達を残酷なまでに容赦無い仕打ちで追い込んでいく。追い込まれる債務者たちの恐怖が皮肉にも、見る者にとってはお金の怖さ、お金の本質、ひいては人生心理を啓蒙していく。そんな彼が、今度はテレビドラマに続き日本の観客を映画館で覚醒させる。

主演は“世界の”山田孝之

主人公の丑嶋馨を演じるのはドラマに引き続き山田孝之。7月から放送中の連続ドラマ「勇者ヨシヒコと魔王の城」、「荒川アンダーザブリッジ」でさらなる境地を切り開いている山田は2011年7月に開催された第10回ニューヨーク・アジア映画祭で最も活躍が目覚ましい注目のアジア人俳優として、日本人で初めて第3回ライジング・スター・アワードを受賞。ニューヨーク・アジア映画祭は香港、韓国、日本はもとより、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど、アジア各国から作品が出品。アジアの新進気鋭の監督たちが、この映画祭を足がかりに世界配給の道を開いた注目の映画祭だ。また、山田はエンターテインメント・ウィークリー誌の2010年10月号では「世界が注目する10人の俳優」に選ばれた唯一の日本人。名実ともに日本を代表する俳優である。

問題作に果敢に挑戦するスタッフ

監督は、数々の大ヒットドラマをプロデュースしてきた鬼才、山口雅俊。今回、満を持して映画監督に挑む。テレビドラマの設定を前提にさらに、欲望渦巻く闇社会の実態を映し出し、豊富な取材によるリアリティによって織り成される原作の世界を映画にしか出来ない手法で過激なまでに再現する。暴力、脱力感、倦怠感にまみれた今の若者像を基調に、貧富の格差、教育格差、モラルの崩壊、日本的価値観の喪失など、資本主義ニッポンが生みだしたお気楽風情の有様とその裏に潜む弱肉強食の有様を、皮肉を込め、繊細かつ過激に表現する。

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執筆者

Yasuhiro Togawa