巨匠ルキーノ・ヴィスコンティの名作の中でも、『山猫』(63)と並んで屈指の完成度を誇る傑作『ベニスに死す』が、10月に待望のニュープリント上映として甦ることが決定した。

本作は、日本では遅れていたヴィスコンティの評価を不動のものとしただけでなく、最も愛されるヴィスコンティ作品である。

おそらく映画史上最も甘美で残酷な瞬間と言える圧巻のラストシーンや、美少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンの完璧なまでの美しさ、そして見事な音楽と映像の融合を思う存分堪能する絶好の機会となることは間違いないだろう。

《STORY》
ベニスを静養のため訪れたドイツの高名な作曲家アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は、
滞在先のホテルで出会ったポーランド人の美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に心
を奪われる。夏の終り、コレラが蔓延するベニスで出会ってしまった“究極の美”。
その瞬間、美の囚人となったアシェンバッハの苦悩と恍惚が始まった…。

製作・監督:ルキーノ・ヴィスコンティ/
原作:トーマス・マン「ベニスに死す」(集英社文庫8月刊)/
音楽:グスタフ・マーラー「交響曲第3番」「交響曲第5番」
出演:ダーク・ボガード、ビョルン・アンドレセン、シルヴァーナ・マンガーノ
/イタリア・フランス/1971年/131分/英語・イタリア語・ポーランド語・フラン
ス語

10月、銀座テアトルシネマにて陶酔のロードショー!

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執筆者

Yasuhiro Togawa