2012年春に公開する、園子温監督最新作『ヒミズ』(古谷実原作)ですが、先日発表されたメインキャストの住田祐一役の染谷将太、茶沢景子役の二階堂ふみに続き、今回発表されたキャストは、いずれも、過去の園子温監督作品で強烈なインパクトを残してきた、ひと癖もふた癖もある、個性派俳優の面々です。

今回、初の原作実写化に挑む園子温監督ですが、キャスティングに関しても、一筋縄ではいかないのが園子温流。主人公の貸しボート屋に集まる中学校の同級生が、園版『ヒミズ』では、家を持たない、大人の「自由人」として描き変えられ、世の中の不条理さが、より刻銘に描き出されます。この「自由人」たちを演じるのは、『冷たい熱帯魚』での強烈な演技が記憶に新しい、渡辺哲、吹越満、そして、最新作『恋の罪』でも、その色香を惜しみなく披露している神楽坂恵という豪華なメンツ。

他にも主人公・住田の青春をドン底にたたき落とすきっかけとなる父親役を演じるのは、現在、多くの映画・ドラマで活躍中の光石研。同監督作『紀子の食卓』では、真面目だけが取り柄の主人公の父を演じた光石さんが、今度はどんな父親像を見せてくれるのか?そして、住田を捨て、男と逃避行する母親役を演じるのは、『愛のむきだし』で自由奔放な女・カオリを演じた個性派女優、渡辺真起子。さらに、原作には登場しなかった茶沢の母親が、今回の実写版では登場します。演じるのは、『冷たい熱帯魚』での怪演が高い評価を集めた、黒沢あすか。そして同じく『冷たい熱帯魚』で、冷酷非道な連続殺人犯を演じ、日本中を震撼させた怪優・でんでんが、住田から金を取り立てようとする、やくざの金子を演じます。作品ごとに全く違う顔を見せるでんでんさんが、今度はどんなキャラクターを作り上げるのか?

原作とは一味もふた味も違った、新たな『ヒミズ』の世界観に、どうぞご期待ください!

渡辺哲 コメント
①『ヒミズ』のオファーを受けての感想をお願いします。
素直に、すごく嬉しかったです。「冷たい熱帯魚」の現場が楽しかったので、また園組に参加できるのはラッキーだなと思いました。
②撮影を終えて、園監督の現場はいかがでしたか?
監督にどんどんひっぱってもらいました。ハードでしたが、やり終えた充実感は他にはないもので、完成がすごく楽しみです。

吹越満 コメント
①『ヒミズ』のオファーを受けての感想をお願いします。
園さんのご要望とあらば、いつでもどこでもなんでも、です。え?『ヒミズ』?そりゃスゲェー!!!ってな感じでした。
②撮影を終えて、園監督の現場はいかがでしたか?
園さん初の「原作あり」ということですが、これがまたなんと、オリジナルではないかと思えるほどぴったりな世界観。園子温が園子温の映画を撮っていたとしか言い様がないのです。また、これはいつも感じることですが、「園子温の撮影現場」というライブを観ているようでした。

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執筆者

Yasuhiro Togawa