アラフォー世代だけではなく、アラサー世代、アラフィス世代の全女性たち必見の映画『不惑のアダージョ』が、この秋公開する。本作は、ゆうばり国際映画祭で初上映後、ロッテルダム国際映画祭タイガーアワード入選、ローマ国際映画祭など、数々の国際映画祭で絶賛されている。
四十を迎え、更年期に思い悩む修道女が主人公。 性、母と子、恋愛、老い、など、女性たちが人生を生きるうえで、必ず訪れる心身の変化、葛藤する現実が、一人の女性を通じて、柔らかく格調高く描かれている。
監督は、本作が長編初となる井上都紀(いのうえ・つき)。短編『大地を叩く女』でゆうばり国際映画祭2008オフシアター部門グランプリを受賞し、映画祭支援にて本作を製作。 映画監督や映画評論家の応援者も多く、次回作が期待される、若手監督の一人だ。
主人公を演じるのは、アーティストへの楽曲提供でも知られる、ミュージシャンの柴草玲。劇中ではピアノやアコーディオン等あらゆる楽器を演奏し、本作の音楽も担当している。
また、映像では初のバレエダンサー役として、西島千博が特別出演し、オリジナルのダンスを披露している。主人公の演奏とともに、繰り広げられるダンスシーンは圧巻。 「こんなにロマンティックなバレエシーンは観たことがない」と、海外映画祭で評された。
晩秋の美しい紅葉を背景に、情感豊かな音楽、 過去日本映画では描かれることがなかった題材を、叙情的に見事に映像化した、誰しもの心に染みる人間ドラマの秀作。
女性だけではなく、ぜひ男性の方にも観て頂きたい映画だ。
今秋、ユーロスペース他、全国順次ロードショー。

関連作品

http://data.cinematopics.com/?p=47584

執筆者

Yasuhiro Togawa